Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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三蔵法師の鬼-万燈供養会の召喚 <魅惑の奈良寺2>

長らくご無沙汰候

…一年数ヶ月ぶりにセッション受けましてですね
受けると気が付かなかった大事な課題に気がつくわけです。

気がついちゃうと「やるっきゃないでそ」になる訳で…
ここ半月、取り組んできまして、やっと一段落付いてきたかなという昨日は小満の日
明日は満月。

いとよきかな
ではお待たせ致した白日夢の続きに参りませう

***

祭りの終わりと共に鬼は姿を消した。
が、存在はある。

『明日までこうして居る、その後は消える故 安心せよ』
という言葉を考えると、視覚化を外したのであろう。


帰宅した月櫻であったが、どうしても三蔵法師と鬼の関係が気になる。
ググってみたが「三蔵法師 鬼」では何もヒットしなかった。


・・・

・・・

キーボードに置いた手はしばし止まった後、
再び動き出した。

>『玄奘三蔵法師と鬼って何か関係あるのでしょうか?』ぽっちり送信

20分後
返信キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!

>『深沙大将は、玄奘三蔵の前世を6回だか9回だか喰って殺した鬼神。
告解した後は仏教の守護神になっているよ >大般若経


返答の主は鬱金殿であった。
新人ピーピーだった頃、月櫻が初めて鬱金殿と見えた時、
「無数の書と知恵が見える様な方だ」と思ったが、鬱金殿の博識には毎度度肝を抜かれる

・・・

・・・


鬼 居たよ・・・
 

Dsc002662.jpg


絵の一番下の段の向かって右手側が「三蔵法師」
その反対の左側の鬼神が「深沙大将」である



その後も送られてくるデータを見て、分かったことが1つ
「西遊記にカッパは居ない」



中国では「なんで沙悟浄がカッパになるんだ!?」というかなりの驚きとツッコミがあるようだ。
中国人「日本の沙悟浄が謎すぎる。何あの怪物?」←同じく鬱金殿からの提供資料。鬱金殿、あなたすごすぎ)


とは言え、沙悟浄=深沙大将とは又微妙に違うようである。


三蔵法師がインドに習得に行った仏教の教えは「大乗仏教」
対する位置にあるのが上座部仏教(小乗仏教)だが、
この場合の「大」「小」は位ではなく、救いの窓口の広さだと思って欲しい。
(非常に簡便に例えているので、要注意。教義としてはもっと奥深い。以下の文も同様)


仏教当初は出家し、苦行を超える事で仏へと進むと言う考えが主流であった。
故に救われるのは苦行し頑張った個人のみ。それでは救われるものが少ない(間口が小さい)。


そこから、すべての人を仏道に入らしめ彼岸に渡すことを誓願として出てきたのが大乗仏教。
日本の民間導入当初は「●●と唱え、教えを護ることでも救われて極楽浄土に行ける」という感じだろう。

月櫻的には「己の中にすでに仏が居られるゆえ、互いの中にその仏を見つけ、互いの仏に照らされて真の仏となろう」とも言い換えられるかもしれない。


(有名な極楽浄土の食事話のアレンジ版ですがよく出来てると思う)


三蔵法師がインドに学びに行った「大乗仏教」。
その大乗仏教の重要経典の守護神が、深沙神だそうである


薬師寺の玄奘三蔵院伽藍にはその三蔵法師の頂骨がある。

そして伽藍の後方には平山郁夫画伯が入魂した、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」納めてあるが、
実はこの絵自体が「仏」の代わりであり「須弥壇」であると説明を受けた。


月櫻は何度かこの絵を拝見したことがあるが、
ちょうど殿内の中央にはヒマラヤが書かれており・・・
遠く遠く先へと続く道を彷彿とさせる山々の隙間の先に・・・


数回、「向こう側の世界」を見ている
その時は同行者のご先祖さまが向こう側から来られ、月櫻はちょっとした通訳をしたのであった。


この仕組を知った時に、この絵が期間限定公開である事を幸いに思ったのだった。
「道」は余りオープンになってない方が無難なのである。


さらに加えると、その玄奘三蔵法伽藍は塀にぐるっと囲まれている。
薬師寺


「大唐西域壁画」の説明の際にもう一つ、
月櫻は興味深いことを耳にした。

それは「院」という言靈である。





「院」とは「囲って外に出ないようにしたもの」という意味があるそうである。


だから「病人から出た病が外に出ないように⇒病院」
「天皇家の正式な倉のものが出て行かないように⇒正倉院」



というそうである。
そして、そういう意味では玄奘三蔵院伽藍も「院」であると。


三蔵法師の「頂骨を収めた」玄奘三蔵院伽藍は
「あの世のアクセスツール」付きの結構ミラクルな封印空間になっているのだ。


そんな不思議空間の玄奘三蔵法師のお祭りの時に現れる鬼…



先に、沙悟浄=沙悟浄=深沙大将とは又微妙に違うようであると書いたが、
それでも、この鬼神と玄奘三蔵法師の縁がとても深く、
鬼神が三蔵法師を大切に思っているであろう事を感じ、月櫻は胸を打たれた。


鬼神の伸ばした手が、
東儀氏に奏でるように促した曲


あれは、あなた(鬼神)が三蔵法師に捧げた曲だったのだね・・・


仰げば 尊し 我が師の恩
教(おしえ)の庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾(と)し この年月(としつき)




何回も三蔵法師の過去生を食ったのが本当かは分からぬが、
心願を叶えるために行く度も転生したものと、
それを阻み続けたもの


言い換えれば、
大事な事を邪魔する大変嫌らし「宿敵」である


その宿敵との関係が、
何回目かにして、変わったのである。


多分、関係を変えきっかけを創りだしたのは三蔵法師の方であろう。
それまでの転生の中で、気がつけなかった何かに「三蔵法師の時に」気がついたのではないだろうか。

三蔵の魂にとって「インドに行く」のは手段であり、
本当の目的はそれを成すことで自分の中の課題をクリアすることでは無かったのではないかと月櫻は思った。


三蔵の魂が
三蔵になった時に得た自分だけの宝


それは敵をも、味方に変えるものであったのだろう。


中島敦の悟浄歎異―沙門悟浄の手記―の中にこういう文章がある。
(太字は月櫻が設定)


>三蔵法師は不思議な方である。実に弱い。驚くほど弱い。
>変化の術ももとより知らぬ。途で妖怪に襲われれば、すぐに掴まってしまう。
>弱いというよりも、まるで自己防衛の本能がないのだ。
>この意気地のない三蔵法師に、我々三人が斉しく惹かれているというのは、いったいどういうわけだろう? 


>いつどこで窮死してもなお幸福でありうる心を、師はすでに作り上げておられる。
>だから、外に途を求める必要がないのだ。
>我々から見ると危なくてしかたのない肉体上の無防禦も、つ
>まりは、師の精神にとって別にたいした影響はないのである。


>妖怪の手から救い出されるたびごとに、師は涙を流して悟空に感謝される。
>「お前が助けてくれなかったら、わしの生命はなかったろうに!」と。
>だが、実際は、どんな妖怪に喰われようと、師の生命は死にはせぬのだ


そして、悠久の敵かと思われた鬼は今、
悠久の友として、仏の元に使えている事を見せてくれたのであろう


子鬼達の浄化は
「仏界に使えている事」の証だったようだ。



朝夕 馴(な)れにし 学びの窓
蛍の灯火(ともしび) 積む白雪(しらゆき)
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月



ほの明かりに照らされ、
静かなる夜のしじまに響き渡る篳篥の音よ
願わくば、何処にか居られし三蔵の御霊に届けかし




終わり
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Comment

 

瑚月さん、待ってました♪
ウコン殿←変換できませんでした(>_<)
素晴らしすぎる。解答がすぐかえってくるなんて昔の荒俣さんや京極堂を彷彿とさせますね。

三蔵法師さんも、鬼さんも長い長い時をかけたけれどもやっと本来の願いに気がつきお互いの真実の関係に気がつけた、戻れた。良かった、なんだかしみじみ自分のことのように嬉しいです。

個人的なことですが実は今年の旧暦明けから、いい加減魂の目的気がつけよ時間無いよ~ってメッセージがやたら有ってトドメは前田健さんの訃報でした。前田さんは自分のやりたいことやった人生だったと思いますが、単純に時間は突然打ち切られる→そんなに時間はないよ、急げ~と言われてるように感じました。
そして此処でも『大切なことなので2度言いました』的な…w
どないしょ、どーにかせんと。

グダグダで後半は愚痴みたいで申し訳ありません。
でも最後は大きな大きな愛、感謝なんだなと感じたことも追記させていただいて終わります。
奈良行きたいな~。


  • posted by なつ(^∇^) 
  • URL 
  • 2016.05/21 18:37分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re:なつ(^∇^)さん 

コメント有難うございます~w

> 素晴らしすぎる。解答がすぐかえってくるなんて昔の荒俣さんや京極堂を彷彿とさせますね。

正にそう!その通りなのです。
すげぇです。尊敬なのです。

> 三蔵法師さんも、鬼さんも長い長い時をかけたけれどもやっと本来の願いに気がつきお互いの真実の関係に気がつけた、戻れた。良かった、なんだかしみじみ自分のことのように嬉しいです。

そう思って下さる方が居られると分かって、私も感謝です。
書いてエがった…。

> そして此処でも『大切なことなので2度言いました』的な…w
> どないしょ、どーにかせんと。

どうにかすると決意して、
道標を提示して欲しいと願っているなら、きっとそれは現れると思うのです。
現に「急げ」と教えてくれる方々が居るんですから。
なつさんの中の「わかった」からの「次」を具体的に願ってみてください。
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2016.05/22 10:02分 
  • [Edit]
  • [Res]

NoTitle 

三蔵法師の外に途を求める必要がないっていうのが、深いですね。
どんな事があっても、幸福でいられる心。
いつか、そうなりたいです。
  • posted by まー坊 
  • URL 
  • 2016.05/28 06:27分 
  • [Edit]
  • [Res]

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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



お手紙は こちら か、一番上のメールフォームからお願い致しますw。

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