Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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『伊勢神宮 内宮-パンドラの箱の底-』神世水奇譚完伝その14

外宮は国津神・古代神を祀る宮としたら、
内宮は天津神=皇室のご先祖を祀る宮である。


地図を見ると、国津神の「風日祈宮(シナツヒコを祀る)」や「子安神社(コノハナサクヤヒメを祀る)」や「オオヤマツミ神社」などがあり「なんだ、国津神も祀っているじゃないか」と思われるが、かの宮や神社とは御正殿と「川」で隔てられている。

naiku_map.jpg
(伊勢市観光協会 マップより)


内宮に入る時に通る大きな橋=「宇治橋」は俗世間と神域を隔てる橋と言われている。
つまり、川が境界線となっているのである。
その川の名が五十鈴川。


初代神武天皇の后の別名が『媛蹈鞴五十鈴媛命 ヒメタタライスズヒメ』である事を考えると、
境界線としても納得できるものもあり、その川の神の社のみが御正殿敷地内にあることと、
マップの説明で『皇大神宮の所管社であるが、別宮に準じて祭典が奉仕される特殊なお宮です。』
といえるのも何となく頷けるような気がした月櫻であった。


コノハナサクヤヒメも、国津神の娘で「天皇家が華のように栄える」として嫁いた方であるので、
風の神以外は婚姻関係で固めている事になっている。


さらに付け加えるなら、猿田彦殿に並び、シナツヒコ殿大好きな月櫻であるが、
内宮の風日祈宮には一度しか行っていない。


雰囲気が違うのである。
「日」が冠されているためであろうか。月櫻に取っては外宮の風宮とは似て非なるものと感じる宮である。
しかし、元寇の際に神風を起こした「風の神」は蔑ろに出来ない力を持っているのであろう。



因みに、123と言う数かぞえは和語で「ひ ふ み」というが、「日(火) 風  水」とも言われている。



この3つは天(空-そら)から降りてくるもの、という意味を考えると=天津神にとって、
水と風の神を置くことは言霊としても何らかの意味があるのかもしれない。


もう一つ言うなら・・・


風は日と水の間にあることから、両方の子である…
という話もある


なに余談である

***

神楽殿での祈祷の申し込みを行う。
お神楽付きの祈祷は内宮では最低で「一万5千縁」である(流石である…orz)。
その変わり、一人の名前で何人でも一緒に祈祷の場に入る事ができる。


月櫻は、いつも御正殿に参る前に此処で祈祷を受け、
お神楽の間に「会話」をする。


-祝詞が上げられる


今までは、その後に続くお神楽の開始と同時に月櫻の目の前に扉が現れる。
その扉の中には、また扉があり、その奥にもまた扉があり・・・


そうして何段階かの扉を越えて「光と称するに等しい大きな意識体」と相見えていた。


今思うと、開かれる扉の数は見える者の心の段階か、
求めるものによって違うのではないかと月櫻は思いながら、祝詞を聞いていた。



お神楽が始まった。



・・・

・・・


・・・


神楽を舞うのは巫女の方なのであるが、
今の月櫻の目には突如現れ舞い踊り始めた「アメノウズメ」殿が映っていた。


それは、神話の中でも有名な天の岩戸開きさながらであった。
月櫻は驚きに目を見張った。


同時に、猿田彦神社でアメノウズメ殿の社を詣でた事を思い出した。
あの時から付いてきてこられていたのか・・・。

祈祷の時に修祓(神世と人との間の垣根を払う儀式)を受けてからこそ、可能だったのかもしれない。
そうなると、あの規定外の千円での祈祷参加が「偶然はない」重みを感じた。


欠けては行けない、必然だったのか・・・



・・・


・・・これが・・・


これが、
内宮に参る前に猿田彦神社に参るルートを<正式参拝>という真の理由か・・・




扉が開いた






中から、初めて「人の形」を取った方が現れた。
その方は女性とも男性とも付かない。



しかし、天津神を統べる存在の具現化だと解った。



月櫻は何回目かになる宣言を行った。
『過去現在未来における神霊界への全ての誓願の解除をお願い致します!』と。



具現化したその方は微笑むと同時に
光の渦となり、
同時に月櫻の耳にこう響いてきた。




『誓願の解除の誓願をもって、
汝の誓願は全て成された!』




声が響き、
光が消え・・・
月櫻が目を開けると同時に、お神楽が終了した。



いつもながら、寸分の狂いもない神楽の間だけの「白日夢」だった。





誓願の解除の誓願をもって、全ての誓願の成就となる



つまり・・・


昔々の月櫻は、自分が本当に願う事をかなえられる状態になった時に、
鎖と成る色々な誓願の解除を「合図」として、
いや、条件としてあげていた・・・という事であったようだ。



鎖と成る様々な誓願は、
振り返ると月櫻自身を苦しめるものだった。
どM設定だ。



時間もお金も健康も費やすものだった。
しかし、「今までの月櫻」はそれで良かったのであろう。



自己犠牲、清貧、苦行という贖罪の中に浸かりながらもなお、
自分を許せなかった月櫻なら。



現実化を司る女性性が現実化させようとしていた「願い」が
『自己消滅』
であった月櫻なら。



神事に関わり始めて約9年。


出会った人々のお陰で月櫻は変わっていく事が出来た。


自己の女性性(自己消滅を実現化しようとする渦)を見つける事が出来た。

沢山の、本当に沢山の苦行や苦しみは全てそこから派生したもので有ったが、
それを経験したからこそ、


「・・・コイツはどんなに苦しくっても、変われることを信じて歯を食いしばっても前に進もうとする奴だと」
と、初めて「不動に変わらない自分の中の軸」を見つける事が出来た。


そこで自分を信頼してみるすることから始め、
自分の中の堅い殻に気が付き・・・
やっと自分を愛するという事をやっとわかってきて・・・


「幸せになるために不幸になる必要はない」
という月櫻にとって目からウロコの様なことだが、実は至極当たり前でありながら「気付き」や、
幸せや富に堕落しないと自分を信じたからこそ、それを許せる気持ちになったそんな「今だから」こそ・・・



鎖を解くことが出来たのであろう。



かの方が仰った「誓願の成就」
遠い昔、月櫻の魂が彼の方に願ったその真の「誓願(願い)」とは・・・


それはきっと、
『私が自分を許し、愛せるようになる』
というものであったのではないか、そう思った月櫻であった。







・・・


・・・


今まで、散々『誰だ?こんな設定したの!?』と悪態を付いてきたが・・・



・・・

・・・



これって「私オチ?」←
まさかの「私オチ?」ですか!?



最終的黒幕は私か!?←




破壊と滅亡を現実化しようとする『女性性』を生み出し、
その己の願いに翻弄されていた月櫻を救ったもの、
月櫻の場合はそれが「自分への信頼」という小さな欠片だった。



私自身が
とんだ「パンドラの箱」だったわけだ・・・。



苦笑


謎解きの最後は
どんでん返しであった。




ああ、しかし・・・



月櫻は御正殿での参拝を終えてから、
道すがらに思いを馳せた。



私の場合は「自分への信頼」がパンドラの箱の底に閉じ込められていた「希望」であった。



私と同じように、
自己嫌悪
自己破壊
自己消滅
を女性性(現実化力)にセッティングしている人たちも



無意識、意識的に自分を許せない
許されない思っている人たちも


自分が愛される存在であると信じられず、
自分自身を自分で愛せないが故に、
他人に愛してもらうことを求めている人たちも、
不安に苛まれ、試し、安心を探し続けている人たちも



きっと、
その人にとっての「希望」の欠片が有るはずである



その「希望」は
人によって形が違うかもしれない。


しかし、
どうか、いつか、その欠片を見つけ出せますように。



青い鳥の様に、
パンドラの箱の希望の様に
それはアナタの心の奥底の何処に必ずあって…。
そして、あなた自身が見つけてくれることを待っていると思うのです。



心から
心から願います



パンドラの箱の底は暗くて、狭く、手探りで、自分だけにしか探せないものだけど



アナタを愛し大切に思ってくれている有形無形の存在が
必ず居るのだから。
そういう存在が愛してくれるだけの理由が、
何かアナタにあるのだから




***




こうして、月櫻の伊勢内宮参りを終えたのであった。



つづく


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Comment

 

私の欠片はなんだろう。。。
でも必ず欠片はあるんだ。必ず。。。

大丈夫きっと探せる、と言い聞かせながら歩いていきます。

私、生きててもいいし、幸せになってもいいんだなー(*´˘`*)そっかー。

あ。気づけた今、もう幸せかも⁉︎
瑚月さん、ありがとうございます。
  • posted by ちよ 
  • URL 
  • 2016.04/13 21:38分 
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  • [Res]

ありがとうございました。 

長い時間と大変な労力をかけたお話をありがとうございました。m(__)m
この内容…文章に起こすのは大変気を遣われたことと思います。
伊勢詣りは年に1~2回家族でお邪魔しています。はじめてお詣りした時、外宮のあらみたまを祭る多賀宮の社の前で自分の意思に関係なくひざまづく経験をしたのを思い出しました。
長い時間をかけたそれぞれの内に抱き締めた約束…
また近々伊勢神宮へお詣りしたいと思います。

  • posted by 撫~風~羽~♪ 
  • URL 
  • 2016.04/14 01:19分 
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Re: ちよさん 

コメントありがとうございます。

探せると信じる心は、気付きへと誘う何かに導いてくれます。
そして「あ、これだったんだ」と気がつく時が来ると思います。
そして、幸せは、幸せになって良いんだと思った時から、
少しずつでも確実に増えていくと思うのです。
「幸せになっていもいい」に気がついて「あ、これ幸せw」と小さな幸せを沢山見つけていく度に、
幸せは認めてもらえる所に寄ってくると思うのです。
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2016.04/17 11:49分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: 撫~風~羽~♪ さん 

コメントありがとうございます!

・・・もちっと短くなる予定だったんですけど・・
ええ、5話位で終わる予定だったんですけど・・・

そしてスミマセン。
あと1話確実にあります・・・orz。

お伊勢さん是非w
また違った感覚に会えるかもしれませんですねw
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2016.04/17 11:50分 
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ありがとうございました♪ 

ご無沙汰しています。
時折のぞいていましたが、「あ!更新されている」と、このシリーズのこの記事を今、拝読しました。

タイムリーすぎて泣きそうです。
まさに同じ解除の最中にいます。
女性性の…というところまでそっくり(笑)

「自分すごいツキがある」と思っていたことがすべて
「マイナスをゼロにする」だけのことだと気づかせてくれた人がいて、
今、「プラスからさらにプラスへ」の道を模索中です。

とても励みになりました。
ありがとうございます♪
  • posted by ももんが 
  • URL 
  • 2016.04/18 09:54分 
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Re: ももんがさん 

お久しぶりですー

中々更新できずゆっくりゆっくり更新なのですが、
ももんがさんのお返事読ませて頂いて、
必要な方の目に止まって居ることがとても嬉しく感じます。
ありがとうございました!
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2016.04/22 20:51分 
  • [Edit]
  • [Res]

ありがとうございます 

涙ボロボロです。
ありがとうございます。

私も「希望」しっかり掴めますように。

書いてくださって、願ってくださって、
本当にありがとうございます。
  • posted by あっこ 
  • URL 
  • 2016.05/22 23:37分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: あっこさん 

泣けるって凄く素敵だと思います。
あっこさんの心から流れでたものが、
あっこさんの希望へと導く流れとなりますように。

自分から流れを作り出せる心があるのですから。
自分を変える力もきっと生まれてこれると思うのです。

  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2016.05/23 22:42分 
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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



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