Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

Entries

『血余-けつよ』神世水奇譚完伝6

◆血余

漢方では頭髪のことを血余といふ

****

>なんか手伝おうか?
>エネルギー的にとか出来る事あればやるが。


そう鬱金(うこん)殿から連絡が入ったのは、
「逆効果だよ宣言」で周囲が落ち着き、
やっと完伝を書き始めたは良いが、根を詰め過ぎた為か
珍しく頭痛に見舞われている時であった。


異様に左肩が重く、
左頸にかけての偏頭痛の様な痛みである。


何か居そうな感じはするが
どうもエネルギー不足で見るに観れない感じに辟易していたので、
この不意の申し出に、有り難く甘えさせて頂くことにした。


>申し訳ございません。左肩が重くって重くって、
>何か居るような感じはするのですが、>エネルギー不足で何も出来ずに居ります。
>宜しければ、何かいるか観て頂けたら有り難しです。


すると・・・

>まずは排除が一番だな。見ておこう。
>遠隔もしておく


という返信が。
有り難し・・・と布団の上で三指ついて、そのまま月櫻は崩れ落ちたのであった。



朝目が覚めて、肩周囲が昨夜よりすっきりしていることに感動。
流石鬱金殿、あのしつこい感じは並々ならないものだったと思うが・・・


と思いつつ、月櫻が寝倒れた後に着信した鬱金殿の返事を見た月櫻は
度肝を抜かれるのであった。


蛇かと思ったが、月櫻の知り合いかもしれない誰かの髪の毛を依り代にしたもののようだね。
>ただ髪を利用されたものは無関係だ。


>正直、そのルートに誰が便乗してきたかまでは探りきれなかったので、
>余り何も考えずに力で押し切っといた。
丸焼き吹っ飛ばしとかのほうが良かったのかもしれないがね。


やっぱなんか居たぁぁぁぁ
てか、なんじゃそりゃー !!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚



そして、丸焼き吹っ飛ばしとかのほうが良かったって、
あのネバネバしてシツコイ粘着質なものに対して
力で勝ったってことですよね?ね?ね?


感謝の思いと鬱金殿の力に改めて感嘆しながら、
「髪」と「知り合いかもしれない」という言葉に、月櫻の脳裏にある人物が浮かんだ。
それは月櫻を呪う事は絶対ありえない人であり、
ましてこの世の人ですら無い人である。



鬱金殿に対し感謝の言葉と共に
月櫻は返事を書いた。


もう一度、『あの世界』に行かねばならないようだ。

>それの根元は、もしかすると別次元に行った橿原の古代神かもしれないです。
>対処してみます



そして月櫻はかの古代神の元へと飛んだのであった。

***

呪いの藁人形の中に髪の毛を入れるという話や、
人形の髪の毛が伸びる…という様に
「髪」は呪や畏怖を伴うアイテムとして使われる事が多い。


何故使うか?と言われると、
分からないが
漢方では頭髪のことを「血余」という。


この場合の血は血液が運ぶ栄養分という意味もあるが、
それで出来るとされる髪も血と同じくその個人にしか無いDNAを含む名刺の様なものであり、
生命力の代名詞にもなりえるのかもしれない・・・


利用されたのは、月櫻の事を思って己の記憶を捨ててくれた「あの人の髪」だった。
が、髪はその人の生活記憶も含むという説もある。


自分の為に大事な記憶を脳裏から消してくれたのに、
その僅かな残り香を含む髪の毛まで利用しようとするのなら



もう二度と利用できないように・・・




『この世界の人間の頭、全部つるっぱげにしたろーーかぁぁぁぁーーーー!!!!』






かの古代神を眼下に言い放った月櫻は
わる子はいねが!レベルで完全に切れていた。



「ああ…けど罪もない人類をつるっぱげにしても、
お前は私に手を出してきそうだな・・・」


月櫻さん、完全に目が座っています。


「なまじ、パーツを残しておくのが甘かったか?
一箇所でも破壊しておけば、復活では出来まい」


完全再生していない古代神の無言の震えが伝わってきた


「手がいいか?
足がいいか?

ああ、そうだな。
いっそ頭砕けば、もうこのような怒阿呆な事は考えられまい」


月櫻さんいってます。
かめはめ波並のエネルギー弾を手に溜め込んでアワや撃つ間際に
月櫻の脳裏に浮かんだ理性の一手がそれを停めた


しゅるゅぅぅぅ・・・・・・・・・


収束されたエネルギーが放散されていく。




「あの人は」、この古代神を蘇らせようとしていた。
あの思慮深く、人のために痛みを負う事を厭わない人が
この古代神を蘇らせようとしていた・・・


この世界に存在しているものを
他次元の者が破壊する事は
この世界の秩序を乱すのではないか?


『カエサルの物はカエサルに・・・・』



元々私はこの世界に於ける存在を彼らに託して消したではないか。


『カエサルの物はカエサルに
神のものは神に返しなさい』


そう、この世界に既に存在する「仏界」に。
ふと、自分の上空を見るとこの世界の仏界神らが居た。


「・・・私は願う。もうこの古代神が私に干渉しないように。
あなた方にお任せする。」




仏界の神々が古代神を取り巻いていく


これでもう大丈夫だろう・・・
冷静になると一時の感情で他の世界に過剰関与しそうになった事が思い出され、月櫻は冷や汗を流した


一つの見方で決めては行けない
別の見方を、
なるべく多くの視野を持つこと




ああ、本当に今年はこれが大事なんだなぁ・・・
ため息と共に、月櫻はその世界を後にした


続く





関連記事
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント:投稿可能です。

ご案内

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

最新記事

プロフィール

瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



お手紙は こちら か、一番上のメールフォームからお願い致しますw。

counter

Archives&Category

 

淡々と百人一首

    右サイドメニュー

    検索フォーム

    QRコード

    QR

    ブロとも申請フォーム

    時節