Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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道切り始め2<平群>-道奇譚 烟る神々の章

月櫻、免許を取って20数年。
事故を起こしたのは3回目となる。

1回目は強い怒りに身が包まれていた時、
免許を取って3年程であった。
修道院に在院中だったが、ひょんな事で親族の不逞を知り、
怒りで溢れて居た。

正にそのタイミングで事故を起こした。
世の中には「義憤」という言葉があるが、「正義」を保ち、破壊をもたらさないで怒れる者は
よほどこころ強いものだけであろうと思い知った。


2回目は、十数年ぶりにペーパードライバーから復帰した時、
同じようにバックでバンパーをコツンとやった。

当たり前だが、その二回の時の事故の直後は後悔の程はけたたましく深く、
しばらくは怖くて運転が出来なかった程であった。


しかし


同じような状況でありながら、その時のような後悔や
打ちひしがれて運転が出来ないような動揺は全く無かった。


やられた

と思うと同時に、何か予定の通りだな
という何処か冷めた思いがあったのだ。


逆に事故の原因になったと申し訳がり動揺する親友を慰め、
月櫻は予定を変更し、足湯の後で〆として行くつもりだった縁切りで非常に力のある寺に先に行くことにしたのであった。

目的地についた時・・・それはとても不思議な天候であった。
傘をささなくていい、霧雨のさらに細かい・・・しかし霧ではない雨が寺と其処に続く長い石段を包んでいた。


それは先程の暴力的すら感じる雷雨とは全く別の、
護り包むベールのようであった。


さらに、
境内に入ると、そこに薄日が差し込み、
もはや何か次元の違う世界に入り込んだような、
まこと、神々しい幻想的な世界を作り出していた。


月櫻と友はその世界に表現する言葉をなくしてしばし立ちすくんていた。


多分、
こんな風景を見れるのは一生で一度ではないだろうか。
そんな千載一遇の機会であったが、何故か写真を撮る、という行為がその尊厳を痛く損なうような気がして、
二人共、心の目に焼き付けることにした。


友の道切りについて祈った後・・・
月櫻はその神に事の次第を尋ねた。

答えは


『金比羅神社で仕事をしなかったが故、それを望むものに・・・』


罰を与えられた?
その言葉は冷静だった月櫻の胸に、怒りの炎をつけた。


「望んでいたもの」が何者であるか、何を望んでいるか、月櫻は大体検討が付いていた。
しかし、一度それに着手すれば、あらゆる地域でその要求の為に動かなくては行けなくなる事が目に見えて居た。
そうなれば最悪、月櫻個人で行うには抱えきれない事になりかねない。
今までも、それにより体を害する事にどれだけなったことか・・・


故に断った。


月櫻自体はもう浄化仕事などの「神事」から引退宣言をした身であると思っていた。
しかし、それを許さないそれらは、強硬手段に出たのであった。


月櫻が脳裏に聞いた言葉を聞いた友人は唖然としていた。

月櫻がいつの間にか上仕事をさせられることや、
それに伴い、体に支障をきたしたり、時間や金銭的にも負担がかかることは話には聞いていたが・・・

「・・・ここまで酷いとは・・・」


月櫻自身もふつふつと怒りがこみ上げて来ていた。
こんな怒りは初めてであった。


今までは、それでも行った結果に対して、
何かしら良かったと納得していたのだ。


喉元過ぎれば熱さを忘れる
の典型が月櫻である。


命に関わるかと思うこともあったし、
その為に本業を休まざる負えない程寝こむこともあった。
苦しみに文句を言いながらも。。。
どこか耐えてしまう自分であった。


が、


そんな月櫻も流石にこの理不尽さには腹が立ってきた。
友人の心にも悔いを生じさせた。
正直、修理費だって馬鹿にはならない。


何よりも、
なんだこの強引さは????

月櫻はきっ、と顔を上げた、
そして、友に断り、このような上仕事から縁を切らせてもらう様、
自分のために神に「道切り」を祈ったのであった。



・・・それが、


長い・・・長い・・・道のりと共に、
色々な道に繋がるきっかけだったかも知れないと、
その時の月櫻は知る由もなかったのであったが。
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Comment

Re: 道切り始め2<平群>-道奇譚 烟る神々の章 

続きをお待ち申し上げ候…<(_ _)>
  • posted by きぷりす 
  • URL 
  • 2014.10/20 21:18分 
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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



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