Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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プロローグ-道奇譚 烟る神々の章

耳視師月櫻が語りし事、そは全ては白日夢(はくじつむ)の中の事とご理解いただきたく候。
泰国の話が1話で止まっていて大変心苦しいが、諸事情にて日ノ本の話へと戻りし事、深くお詫び申し上げる。

*****

「月櫻さんは子供の頃からそうだったんですか?」
一日の勤めが終わり、一服の茶に心安らいでいる時、助手の奈桜は月櫻にそう尋ねた。

「?。<そうだった>ってどういう事ですか?」
「えっと、オーラが見えたり霊や物やお肉と話したり、浄化したr・・・」
「奈桜さん、私は『見えては無い』のですが・・・。あとお肉特化は知らない方が聞かれたら変に思われますので・・・」
「先生!何を仰るんですか!。焼け加減を鶏肉が教えてくれるなんて、もう主婦としては羨ましいとしか言えません!」

・・・・

奈桜さんは最近ご結婚し、初々しく主婦をしている。
新米主婦としては鶏肉の火加減が気になるのはしかたないだろう。と、月櫻は苦笑した。
ちなみに縁組に至るまで色々見えない世界で本人は元より、家人総出で共に努力した事はここだけの話しである。


「私は『見えて居ない』です、『聞こえる』んです。
そして、経験を重ねるうちに、そこにイメージが付いてくるようになった…といいますか。
それが“耳で視、目で聴く耳視師”なんで・・・」


言いかけて月櫻は口をつぐんだ。
奈桜の質問は別のことだ。


「・・・そうですね・・・。子供の頃はちょっと気が悪い所が分かるとか、気分が悪くなるとか・・・
まぁそんな感じで普通でしたね。
大人になってからです。
そう・・・前兆は色々あったのですが、大きな転機はヨーロッパ旅行でした」
「?海外旅行ですか?」
「はい。まだ私が霊的な事とは無縁の整体師として駆け出しの頃です。
本物だ、と思う方に出会いました。」

月櫻は昔も今も、「霊能力者」の方々が苦手である。
自分もその類と言われたらそうなのであるが、月櫻の様な毛の生えた者ではなく、
狭霧殿や鬱金殿のように「本物」と認めている人は少ない。

そしてその「本物」は月櫻の人生において必要な時に現れる。

あの方もそうであった。
今は道を違えたが、月櫻が初めて会った「本物」であった。


「色々相談しましたね。その中にね・・・」
「その中に?」
「中々ご縁がないっていう話もあったわけです」
「おおおwww」奈桜色めく。


「(苦笑)。その時にですね、言われたのが・・・」

****

月櫻は魂が古いから、
同じく魂の起源が古い人でないと難しいだろう。

そして残念ながら居ないことはないのだが現在の日本人にそう言う魂は余り居ない。
一番多い国は・・・

****

「多い国は?」
「ドイツ、って言われたんです」
「へー、ドイツですか?。で、先生、ドイツに行ったんですか???」

「別に今はやり(?)の婚活に行った訳ではないですよ・・・。
ただ・・・、魂が古い人達が作っている国とはどんな国なのか、雰囲気を感じて見たかったのです。」
「へー」
「と言っても、その当時は仕事も独立してませんでしたし、そうそう休みも取れない。
けど機会があれば行きたい、と思っていたら、その4ヶ月後に行くことになったのです」
「何でですか?」

「親が定年退職しましてね。
お世話になったお礼に親が一度行きたいと願っていたヨーロッパに旅行しようと言う事になったのです」


9月とは言え、まだ夏休みシーズン。もちろん月櫻の資本は少ない。
しかし月櫻には何故か「絶対にいいツアーが見つかる!」という確信があった。

そして幾つもの旅行会社のパンフレットを集めて調べたすえ、
フランス・スイス・ドイツの3カ国周遊10日間で格安ツアーが見つかったのである。

「しかもですね・・・。そのツアーで行く場所にその当時私が唯一知っていた自分の過去生に非常に縁の深い場所が含まれて居たのです。後でガイドさんにお聞きしましたが、ガイドさんも初めての経路だったそうです」


その場に行くことは、月櫻に取って「試し」の様なものでもあった。
自分が感じている事が本当であれば、何かしらの反応が有るはずである。
そしたら・・・


<自分を信じてみてもいい>


そう思ったのである。
実際、ツアー客と一緒にその礼拝堂を見学した時には呆気ないほど何も無かった。
月櫻は正直落胆しながらも、その後のおみやげ店での散策時間に一人、礼拝堂に戻ってみた。


硬い木の椅子に腰掛けて手を組んだ途端だった。
滝のような涙が溢れだし、まさに号泣と呼ばんばかりの嗚咽があふれた。

泣いて泣いて泣いた。

そしてその後はスッキリとした感覚が残っていた。
その後に訪れたドイツも「ここに私は昔住んでいた」という場所が2箇所あり・・・。
まるで過去生をめぐる旅になったのであった。


「その帰りの飛行機でですね、鼻血がどうしても止まらないという方が出たのです。」
「はい」
「CAさんに囲まれるその方を見た時に、何故か「手を当てたら自分はそれを止められる」、と思ったのです。
もちろん、思っただけで実行はしませんでしたがね・・・。
そして、それがきっかけで、少しずつ、本当に少しづつ、経験を積み重ねて行ったのです。

そうですね、整体師の技同様に、考え、実践し、経験を積んで・・・まぁ、今、こんな感じなのです。
神様ごともね、最初は上の神社から下の神社に神霊をお連れするお神輿役をして、
その一週間後に、今度は下の神社から上の神社にまたお連れする・・・という事からでしたね」

ふふふ、と月櫻は笑った。


「そういえば、先生の所に、たまにその神様事の事でお尋ねありますよね?」
「・・・ええ・・・」


たまにではあるが、
*~の神様に呼ばれているような気がするのですが や
*お役をするようにと感じるのですが
どうでしょう、もしくは、どうしたらいいでしょう

という様な内容のご相談を頂くことがある。


尋ねて来られる方々は善意ある方々である。
しかし、月櫻はこの手の尋ねが来る度に、きついかも・・・と悩みながら、
最終的には自分の責任で決めて欲しいと書くのであった。

なぜなら、

神々に関わる事により、おのが魂の成長や、神々の助けになるなどの喜びがある一方で、
その逆もまたありうるからである。

それは時間や交通費などの金銭的負担だけではなく、
時に健康や命に関わること、
そして・・・もっとも辛いのは家族に危険が及ぶ事も場合によってはあるのである。


これは、月櫻だけではなく、過去に出会った他の「本物」からも言われた事であった。

・・・

「・・・だから・・・、語った方がいいのだろうな・・・」
「月櫻さん・・・?」
その後、黙り込んでしまった月櫻に心配そうに奈桜が声をかけた。



ふと、我に帰った月櫻は奈桜の顔を見、
もうしばしの沈黙の後、月櫻は語りだした。


そう、我が身に起こった「不幸な事例」とも言える奇譚を、
そして、それにより、現在、神事に関わる事を考えている方々や、
すでに関わり苦行に悩む方のささやかなヒントになれば・・・と、願うのであった。


長くなるであろう「道奇譚」
これより開幕にて候。










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Comment

 

アップを楽しみにしていました!
お忙しいなかありがとうございます。
続きが、待ち遠しいです。
  • posted by ちよ 
  • URL 
  • 2014.08/25 00:32分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

私も、楽しみにお待ちしておりました(*'▽'*)

最近、古代神に心ひかれていましたので
お話しの内容もとても気になります。

お忙しい中と思いますので、ご無理がないようになさってください(*^_^*)
  • posted by 月の歌 
  • URL 
  • 2014.08/25 23:43分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: ちよさん 

> アップを楽しみにしていました!

ありがとうございます!!
遅筆で申し訳ない私なのですが、そうおっしゃって頂けると凄く嬉しいです。
久々の連載ものになりそうなので、ゆっくりお待ち頂けましたら有難いです。
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2014.08/26 23:00分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: 月の歌さん 

> 最近、古代神に心ひかれていましたので

ありがとうございます!
ご期待される内容になるか分かりませんが(今までと比べると結構どんでん返し的ラストになりそうなので←)
筆の赴くままに書かせて頂きます。

応援の言葉、とっても嬉しいですw。
ありがとうございます。
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2014.08/26 23:03分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: プロローグ-道奇譚 烟る神々の章 

鶏肉が焼け具合を教えてくれるんだ!
なんて すてきな・・・・・

楽しみにしてました^^
ゆっくりまってまぁす

  • posted by うめたろう 
  • URL 
  • 2014.08/29 17:47分 
  • [Edit]
  • [Res]

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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



お手紙は こちら か、一番上のメールフォームからお願い致しますw。

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