Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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吉野守られ桜 その1-春の吉野奇譚





桜を見て、心が踊らない人は少ないのではないだろうか。
というか、どうしてこうも桜は心に響くのだろう。



朝もやでも
昼の光の中でも
夜の月明かりの中でも


人の心に響く花


確か国語の教科書で見た染め物の話に、
『桜は、花がさく何ヶ月も前から準備をする。
冬に桜の樹皮を剥ぐと、幹の中がピンク色になっている。
だから、染め物には花ではなく樹皮を使う…』
という様な事を書いてあったと思う。



花はその土地の気脈のエネルギーを蓄えて放出する。
花の名所と有名な寺院や水脈ラインが一致しているという話もある。



あの淡い色は満身に込めた大地の力を放出している。
そう思うと桜は正に、大地のエネルギーのシャワーであろう。


だから、人は無意識にその元に集まるのかもしれない。


長い冬に枯渇し、又冬の疲れをそこで禊ぎ、
大地のエネルギーを得ようとするのかもしれない。


それ故、そこで「祭り」をするのかもしれない。
かつて奈良の千年桜を見に行った時に、月櫻は強くその言葉を思い出した。


大地の精霊とリンクしているあの千年桜…


昨年も一昨年も桜を見に行く暇もない月櫻であったが、
今年はどうしても何処かに行かなくてはいけないような気がしていた。

…もし叶うなら大事に思っている人を連れて行きたいと思うような気持ちであった。


何故だろう、
今年の桜のエネルギーはそう思わせるものがあるようであった。



さて、ではどこに行こう?
と思っていると、「導き手」が現れた。




以前、職種の会合で2~3回位会ったことがある知人が、
「奈良の桜見たい」と声をかけてきたのだ。



今年の桜は早かった。
最初に行く予定であった桜はもう散り始めており、
急遽変更した場所。


それが、『一目千本』で有名な吉野山であった。




意外だが聞いてみると奈良の患者様でも行ったことがある方は少ない。
大体が数十年前に行きました、のレベルである。



近くにあると何時でも行けると思うからか、
または、噂に高い、ひと目千人レベルの観光ラッシュのせいでだろう…、
そう月櫻は思っていた。





「そうか。これか…」
月櫻は呟いた。










坂道なのだ。
女性はヒールで来ると大変である。


吉野山は高度によって下千本・中千本・上千本と別れており、
桜の見頃の時期も微妙に違っている。


月櫻達がとった初めての吉野桜見物コースは、
吉野駅からバスで中千本まで行き、
そこから上千本の見頃である花矢倉(展望台)を目指していた。


徒歩約40分とあるが、これは下りか上りか、足して2で割った時間か、
はたまた、不動産屋が使う徒歩1分=80mを基準にしているのか…


ま、けっこうガッツリ歩く。


歩き始め、かわいい桜がお出迎え。
元気が出る。
まるで珠の様な桜。






途中、急な坂も有り少し歩くのは億劫になったり足が弱くなったらキツイ坂である。
整体に縁のある方々が再び行かないわけだと月櫻は実体験で納得したのであった。



「こりゃ、うちの親は来れないかもなぁ」と月櫻は思った。
見たいと言っていたが、もし見に来るなら始発のバスを狙う位で奥千本までとにかく上がり、
下り路線で坂を攻めるだろう。


それでも、最近体力が付いてきた月櫻は比較的スイスイと登れる。
時々、桜が目映る。


綺麗だが、うーん、…今ひとつの感動。


そんな時降りてくる人の声が聞こえた。
「やっぱり上からが綺麗だよねー」


おおwそうかそうか。
やっぱり高いところからの方がいいか。


一緒に来ている友人と頷きあい、
先へと進んでいく。


吉野の桜は山桜なので、ソメイヨシノの様に枝いっぱいに花が付かない。
ピンク色の花と同じくピンク色の葉芽。
それが群集している事で視界が淡いピンクで染まるのである。




時々、お弁当を広げられる場所が幾つか目につくが、
先に耳に挟んだ言葉を胸に、月櫻達は花矢倉へを目指した。


到着して…


しばし唖然。



何故なら、桜が見えないのである。
いい場所は茶店の桟敷と、ワンショット幾らの有料お立ち台に並ぶ数十人。

無料で観れる僅かな隙間があるが、
それも列待ちである。





二人して沈黙。



悩んだ挙句、とにかく無料の方に並んでみる。
10分弱位で展望を頂く。


おーおー、綺麗キレイ。

RIMG0007.jpg


が、後ろに人様が待っておられるので写真をとり、少し眺めて場所を譲る。








なんか腑に落ちない←。
いや、かなり腑に落ちない←。



そんな月櫻に友人が声を掛けた。
「さっきすれ違った人が~神社の方の桜の方が良かったって言ってた。行く?」
ああ、-吉野水分神社-だな。




実は最初、月櫻達は中千本から奥千本行きのバスに乗り変え、ゆっくりと下りながら桜を見る予定だった。
月櫻の上の人達が「奥千本行きのバスに並べ」と囁いたからである。


しかし奥千本行きのバス待ちは長蛇の列。


最初は彼らの言葉を信じ、5分ほど並んではみたものの、
『40~50分待ち』と聴き、それくらいなら歩こうと列を離れたのであった。


その時にガイドの人が「今なら無料で参拝できるし、桜も良いですよ」とアピールしていたのを小耳に挟んだのがその神社であった。







長蛇の列の奥千本行きのバスに並べと言われたが、結果としては歩きで大正解だったと思っていた月櫻。
なぜあの時に並べと言われたか理由が分からなかったのだが、成る程「小耳に挟む為に」並べと言ったのか。



確かに「乗れ」とは言われなかった。



確かにね…←。



しかし、友人が聞かなければ、行かない所であった。
今回は要所要所でタイミングよく「人の声」の導きに出会うようである(爆。






その神社、
水分と書いて「みくまり」
と、呼ぶなり。





続く>

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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



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