Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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まずは出すもの出して-守護霊奇譚その拾

「…3日前に九州で夏日出す気温だったのになぁ」


マイナス1度。日はもう充分に上がっていた。
明るい日差しが冷えた空気を冴え冴えと光る。
朝、家を出発する時の奈良の気温である。
最近一番の冷え込みだった。


時間短縮のため、落ち合う駅は生駒駅とした。
近鉄生駒駅は生駒山の麓にある駅。
生駒山は大阪府と奈良県を隔てる生駒山地の主峰である。


そして、古き古き太古の魔物である麒麟殿が住もうて居られる。


「イコマヤマ」の名は、古くは日本書紀や万葉集にも名を連ねる。
膽駒山-射駒山・伊駒山・伊故麻山・生馬山-生駒山への変遷が考えられるそうだが、
必ず「駒」が付くのは面白い。


なにせ本当に「駒(麒麟)」がおられるからなぁ。
流石霊山と言われていもいる生駒山。昔から見える人には見えていたのであろう。


そういや、認めた人間には結構気さくだもんな…。
と思っていると道路の向こうから生駒山が目に飛び込んでくる。
同時に麒麟殿がニヤリと笑い、声を掛けて来た。


***

「月やんーーー!!!」
「乱麻ーーー!!!」


5年ぶりの再会である。


車に乗り込んだ乱麻が言う。
「こんな遠くでさ、朋に出会えるんだよ。会いに来るんだよね。なんか感慨ぶかいよ」


<朋あり遠方より来る>


自分が感嘆していた事と、同意な事を乱麻も思い感嘆している。

言わずとも同じ思いを持てる相手。
これが朋なんだよな。
と月櫻が胸が熱くなった。



二人が向かったのは生駒山を上がった所にある「宝山寺」。
真言律宗大本山の寺院であり、生駒聖天(いこましょうてん)とも呼ばれる。
本尊は不動明王。鎮守神として歓喜天(聖天)を聖天堂(天堂)に祀っている。


歓喜天の流れから民衆からは「商売の神様」として非常に人気の高いが、
実はもう1つ「隠れ縁切り」という顔を持つ。

商売の方は歓喜天。
縁切りの方は不動明王である。


…不動明王にも幾つか流れがあるが、宝山寺の不動明王は例えるならばミカエル系列だ。
つまり「ぶった斬り系」だ。


***

縁をスピリチュアル業界では「コード(紐)」という言い方をすることもある。
俗にいう「運命の赤い糸」なども似たようなものであると言うと分かりやすいであろうか。


人や物とは「縁」が繋がると、視るものが見ると確かにコードと呼ばれるものがつながっている。


悪縁
良縁


色々な物もあるが、
あまりごちゃごちゃあるとこんがらがるので(爆
定期的に整理したほうが良いのは良いようだ。


なに、通常はそんなに改まったものではない。
「掃除」
「整理整頓」
など日常的な事で可能だ。


これは<魄の外界(3次元の現実)>で魂にアプローチする方法でもある。


仕事が終わったら自分モードになる事や、
寝る前の体操などでの体をケアするなど「気分の切り替え」でリセットする者もいるし、
日常レベルであれば各々自分にあった方法で無意識に多くの人がしていることでもある。


もう少し「実践的」であれば、
自分で剣や鋏で切る(信じている神や天使の加護をお願いして)イメージをしたり、
箱かゴミバケツをイメージして其処に入れて爆発⇒消滅。
など世の中には色々な方法が出ているので、
そこはまぁ、それらを参照していただきたい。


それでも「瞑想」とか「イメージ」が苦手な方は、
気分が良くなる神社仏閣や場所に行ってお願いするのも手である。



***

「ここで、今の勤め先の縁をすっぱり切ってもらえ」月櫻は乱麻に言った。
「ここで切るのか?切りたいよー。すっぱり切りてぇよー」
「そうだ、すっぱりばっさりがっつり切ってしまえ!!!」
「やるぞーーー!!!」


宝山寺のパワーを最大限に利用するには少しコツがいる。

まずは行く時間帯と、祈る場所
「…へぇ…それでここなんだね?誰に聞いた?」と尋ねる乱麻に月櫻は答える。
「神様」←


それと祈り方だ。


「?誰に聞いたの?」
「神様」←






他に聴けるものが居ないのだ。
これらはまぁ、言うなれば企業秘密なのであるが
宝山寺の不動明王は親切だから結構積極的に教えてくれるのでそう秘密でもないよな。


と月櫻は答えながら思った。

あと、有料で祈祷してもらうのも結構効く。
実際にストーカーの縁切りなどの願いがあるそうだ。
なんでも深夜0時に祈祷するらしい…。

***

宝山寺は東大寺よりも外国人に人気があると聞いたことがある。
が、ここを知っている外国人さんって、相当ツウだと思うぞ?と月櫻は何時も思う。


しかし、エキゾチックさや眺望などは確かに東大寺とは全く違う雰囲気があるなと月櫻は思う。


宮を周り、
眺望を楽しみ、
御神籤を頂き…
二人は宝山寺を後にした。


長い石段の雰囲気も宝山寺の楽しみの1つでもある。


他愛ない話をしながら石段を降り、
次に月櫻が用意していた店で昼食を取る。
生駒にもコスパのいい店が幾つかあるが、乱麻にはここが一番であった。

バリ料理の店だ。
極寒の生駒で南国のバリ←。
ちょっと独特だが香辛料がうまい。

平日の上、
今年一番の寒さの日であった為、
店内は貸し切り状態。


二人は眺望の良い席に坐る。
うん、気の流れもいいし、何よりも怪しい話も遠慮なく出来るのはありがたい(爆。


互いの近況を報告しあう。
乱麻は次は半分おおやけの機関に入職が決まっているそうであった。


何人ものセラピストが「絶望」して短期間で辞めていくというその場所の面接を受けた時、

「あの、トイレ介助もあるのですが」
「?大丈夫ですが?」
「あの、指導とかもして頂くのですが?」
「?指導しなくって何スルんですか?」

ビクビクしながら尋ねる試験官と乱麻の様子を聞いていると
どちらの立場が上なのか分からんが…と苦笑する反面、

どうも、
今まで入職していたセラピストのレベルは相当低かったのであろうと溜息が出た。


確かにやりにくい不安要素は幾つかあったが、
乱麻はすでに同じような苦労を月櫻と共に仕事をしていた時期に体験していた。





「やりがいあるよな」月櫻は言った。
「おう。やりがいあるよ。」乱麻が返す。

「変えてやれよ」
「変えるよ。今までの奴らが見つけられなかった事をやるよ」

「車いすの調整とかもやっちゃえよ」
「うんうん。利用者さんの家の状況も聞いていくよ」

「広げられるな」笑う月櫻
「まずはゆっくりだけどね。わくわくするよ」ニヤリと返す乱麻


ああ、5年の間、
あの中で乱麻は乱麻で必要なことを沢山学んだのだ…


月櫻の目に、乱麻の守護霊の数は駅で出会った時よりも一人分減っていた。


そう。
かの勤め先と縁を持ち、
その勤め先に乱麻を誘い、乱麻の修行にと、
今の今までつなぎとめていた守護霊はその任を今、無事終えたのであった。


「出すもの出して」。
宝山寺での目的、まずはコンプリート。
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Comment

 

宝山寺さんってそんな有名で凄い所やったんですね、近くをうろちょろしてたのに全然知りませんでした。
不動明王さま=ミカエルさんには叱られそうで怖い…(厳しい教官的な意味合いで)。
出すものは出す、掃除する。
やろう!やりたい!と思うと急に体調悪くなったりして長期間グズグズしていて、そんな自分が嫌です。
今日から改めて、断捨離ハビリがんばります。

乱麻さんのパワーチャージがどのようになされるのか、つづきが楽しみです(^^)




  • posted by りりか 
  • URL 
  • 2014.02/12 16:33分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: りりかさん 

へへへw。
奈良の適材適所といいますか、
色々な顔を知って頂いて楽しんでもらったり、親しみを持って頂くのもプライベートならの目的ですので、
コメント嬉しく拝見しましたw。

お掃除の件は、
もしかしたらこれからの文章でヒントが書けるかもしれません。
(けど、書く書く詐欺結構するので確約ではありませんが…すみません)
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2014.02/15 17:26分 
  • [Edit]
  • [Res]

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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



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