Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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朋あり遠方より来る-守護霊奇譚プロローグ

<朋あり遠方より来る、亦楽しからずや>

月櫻は論語の冒頭にある一文を思い出していた。
朋=友、仮の名を快刀乱麻(かいとうらんま)の乱麻(らんま)さんとしよう。

***

ちなみに快刀乱麻の意味であるが、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。

よく切れる刀で、もつれた麻の糸を見事に断ち切るという意味から、
複雑な問題やごたごたした 事態を鮮やかに解決するということ。

***





一々地道に選り分けるより、
「もつれるなら、切ってしまえばいいのです」とばかりにバッサリと切る。
そうい軽快な友なのである。


月櫻(つきお)は生来ぼんやりしている。
世に「天然」や「KY」という言葉が派生する前からネジが数本抜けている。


こと治療に掛けては多少偉そうな知恵が働くが、
もともとはポヤンである。


故にこの朋には何度も三枚おろしにされている←。


が、月櫻が関西の地に来た10数年来の大事な友人であるのは、
その刃が人の為に振るわれているからであり、
その根底には朋の深い優しさを感じているからであった。



月櫻は「なぁなぁなお付き合い」をしなくては行けない人間関係を厭うので、
友人は少ない方だと自分でも思っている。


…魔物や神様方に比べたら人間は本当に複雑だ。


若い頃は理解しあえない人は居ないと思っていた。
特に月櫻は言うなれば性善説で生きているのでその傾向は強い。


しかし、少しは人間経験を積むと「今は理解しあえない人」が居るという事や、
や「住んでいる心の世界が違う」人が居ることも分かった。


それは民族によって生活習慣が違うようなものである。


詰め放題のウインナーを、手に持つ袋に詰め込むと同時に横にいる子供の口に詰め込む女性。
という、某スーパーで本当に出会ったような方々の「倫理観」と月櫻の「倫理観」には大きな隔たりがありように、
日本文化圏で一般常識と捉えられているルールも「個人の正義」と相反する場合もある事もわかってきた。


そんな月櫻の親友の定義は
「数年ぶりに話しても、昨日まで会っていたように会話が成り立つ人」である。


奈良に居を構えてから約5年。
乱麻とは賀状を取り交わす以外は音信不通になっていた。


しかし今年の賀状は少し気になっていた。


そしてつい4日ほど前に5年ぶりにメールが届いた。
そこには『いよいよ、職場を辞めるぞ』

という様な言葉が書かれていたのだ。


乱麻が務めている場所は月櫻も2年ほど出入りしていた場所で、
丁度二人共新人であった。


けして地域住民から評判のいい処ではなかった。
というか、かなり劣悪な部類に入っていたと思う。
事実、今思うと土地の気も悪いし、人的にも経済方針でも色々と難色がある場所であった。

入ってから気がついても時遅し。
後悔し、つい愚痴を言った月櫻に当時の恩師はこういった。



「入ったことを後悔するよりも、地域の方々に認めてもらえるようないい職場にするように自分が頑張ればいいのだ」



このありがたい言葉は、今も月櫻の大事な指針となっている。
その時に志を共にしてくれたのが乱麻であった。


地道な新人達の個人的行動が何を変えたのか分からないが、
いつしか人的環境が変化し、
1年半ほど経ったとき、周辺住民から「ここは口コミの評判いいよ」という言葉を賜ったのである。



やがて(人的にも神的にも)、引き抜きがかかり
月櫻は修業の場を他所に移したが、乱麻はそのまま残り、
そしてその部門のトップになっていた。



乱麻がとうとうあの場から離れるのか…。



積もる話があるという乱麻は、
互いの予定が合わない中無理やり休みをとって奈良に来るという。

<朋あり遠方より来る、亦楽しからずや>
である。


その朋、メールの最後にこう、のたもうて居られた。
「癒やしコースで頼む」←






これは期せずして瑚月発想の「プライベートなら」の発動か?。



まぁ、極親しい友人には何回か行っているからそれはそれでいいのだが、
今回は10時~16時までと、滞在時間が短めだ。


しかも会う予定の日は節分寒波真っ最中である。
奈良の寒さをナメてはいけない。


京都にも住んだことがあるが、
奈良盆地の寒さは筆舌に尽くしがたい。


しかも、何となく緊急性や行き先の的確さを求められているような気がする。
さてと…。


月櫻は目をつぶり、
乱麻の上位(ハイヤーセルフ)にアクセスを求めた。



『癒やしコースで、という言葉は依頼と解して可か?』

-可なり-

お、返事があったな。
『では読ませて頂く』



言葉なきもの、世に存在せぬとされるものを “耳で視、目で聴く耳視師”月櫻(つきお)。
しばしの沈黙の後、
「…ほぉ…」と感嘆の声を漏らした。


つづく


***

【論語 学而第一より】

子曰はく、


学んで時にこれを習ふ。
亦説(よろこ)ばしからずや。

朋あり遠方より来る、亦楽しからずや。

人知れず、而(しこう)して慍(いか)らず、
亦君子ならずや


***

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Comment

 

詰め放題のウインナーを、手に持つ袋に詰め込む と同時に横にいる子供の口に詰め込む…ぁぁ酷いw酷いけどそういう人がいる光景、たまに見かけてたかも…;;;
関西人やし関西好きやけどああいうのはなんか嫌やなーと思います。

奈良、懐かしいです。
昔奈良市の端こっこまで通学してました、行動範囲が西大寺・奈良ファミリー(ってまだありますか?)までと局所的ではありましたがww
奈良は特別な時間が流れてるような気がします、街がずっと微睡んでいるような、時間軸が大阪とか神戸とはちょっと違って緩やかイメージでした。
あと、空気が滑らかで瑞々しくて甘い…ような…(盆地だから?)?

お友達をどこへどんな風にエスコートなさったのか、続きがとても楽しみですo(^^)o

  • posted by ねむ だりあ 改め、りりか(仮) 
  • URL 
  • 2014.02/05 21:22分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: りりかさん 

お久しぶりです。

> 詰め放題のウインナーを

口に詰め込まれて、もぐもぐしているお子さんはどういう風に育つのかなと…。
とても悲しくなりましたし、不安になりましたです。
ただ、その当時私もそれに対して何も出来なかったのでそう言う意味でダメダメなんですけ…(涙。

> 西大寺・奈良ファミリー

ありますよ~www。
近鉄百貨店併設でしっかり有ります。
よく行きますw。(百貨店併設で17時以降駐車料金無料ってのが素敵好きます♪)

奈良の空気は個性的ですね。
馴染む人は心地いいし、逆に馴染めない人も居るのではないかと思います。

> お友達をどこへどんな風にエスコートなさったのか、続きがとても楽しみですo(^^)o

書けるかな?←マテ。
いや、どこまで書くかまだ謎なのです
  • posted by 瑚月 kogetu 
  • URL 
  • 2014.02/05 21:52分 
  • [Edit]
  • [Res]

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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
ご了承下さい。



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