Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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『血は水よりも濃い』 神世水奇譚:その陸

現在の神社で名前を拝見出来る神々の系統は「天津神」と「国津神」
そして、その神々の元となり、大地を生んだという「神世7代」そして創世神と言われる「別天津神」、
後は「天皇」と「歴史上の人物」で神の座に遷座された方々である。


天の真名井・天之御中主様・伊邪那美様の件で、
「文字」として歴史上に確認出来る神世のラインは通し直しされた印象であった。


しかし、それでもまだ漏れている神流があったのであった。
残り5%が今、始まる。


***************

ぐらっ


次元が切り替わるような、脳内で何かが回転したような感覚が襲い、
月櫻は急に気分が悪くなった。




久々の土曜半休日。
月櫻は先週の「楽しい旅行」の為に出来なかった、
部屋と仕事場の掃除に専念していた。


風呂場と治療室は基本毎日掃除しているが、
一人暮らし故、他は週一回が基本である。


掃除をする事で「掃除された場」には「持ち主の気」が通る。
何処に何があるか、ホコリはないか、ゴミはないか、物は出しっぱなしになっていないか。
確認し片付ける事で気が通り、それだけでちょっとした結界を作ることが出来る。


掃除した後にスガスガを感じたり、ほっとするのは、
見た目の他にそうやって簡易な自己浄化や自分の気に満ちた空間を作った為だという事もある。


邪魔な物や片付けない物に対し、人は無意識にその存在を無視しようとする。
「気にならなくなる」は「気が無くなる=届かなくなる」のだ。
そこに「影」が出来、時には変な気が溜まる事もあるのだ。



皆様、お掃除は何気に侮れませんぞ。



**************


夕方近くに、月櫻はやっと今日の本題の「スタンドライト」を組み立て始めた。
180cmほどのスタンドライトは求めていた形&お手頃価格で、
偶然ひょんな事で見つけた掘り出し物であった。



それを組み立て始めた時に何故か気分が悪くなってきたのである。
しかも急に鼻水が…。
秋の花粉症?と思わせるような鼻水に月櫻は何度もティッシュケースを引き寄せた。
うーん。風邪をひいたのだろうか…。
月櫻は顔をしかめた。


いやいや、
きっと糖分切れだろう。
そう思い、とにかくスタンドを作り切った。


まだうっすらと車酔いのような気持ち悪さを感じながらPCのツイッター画面を開けた。
茶を入れ、買ってあったカステラを「糖分補給に」と一切口にしながらふと画面を見た時、
月櫻の口からカステラが落ちそうになった。




ほぼ「同時刻」に
狭霧殿と鬱金殿がそれぞれ「気分不良」を訴えて居たのだ。





「私もです」と返事を打ちかけた時、
異様なビジョンに月櫻の手が止まった。



メリメリと空間を分け入って侵入してこようとしている黒い物体。



ばっと意識を向けた瞬間、
それはかき消す様にビジョンから消えたが、
そこには僅かな空間のひずみ(裂け目)が残っていた。



月櫻は打ちかけたPCをそのままにしてご神前に向かった。
実は「水の報告」であの件が終わった後もまだ、違和感が残っていたのであった。
それは微妙なものであったが狭霧殿も訝しんでおられた。



あれが己や狭霧殿、鬱金殿の同時期体調不良に影響を及ぼしたものであるなら、
それなりの力が働いているに違いない。


個人でサーチするよりは、守護殿にお願いした方が安全である。
月櫻はそう判断した。


新たに米と水と塩を奉じる。
目を閉じ、加護を祈る月櫻の脳裏に映像が浮かびでる。



例のスタンドから何処かに繋がっているルートが見えた。
月櫻の霊体はスタンドからそれを切り取り、端から丸めて先ほど裂けた空間に放り込んだ。
その後、裂けた空間はクロスステッチでしっかり閉じさせて頂いた。



しばらく神前の前に座っていた月櫻はついっと立ち上がると、
先ほど組立たスタンドライトを送ってきた製造会社の伝票を見た。




『北海道』






月櫻は沙霧殿にあててPCのキーボードを叩きはじめた。



ちなみに、ルート処理と空間クロスステッチ処理の後、
月櫻の気分不良と鼻水はピタリと止まったのであった。


***************

『こちらもほぼ同時期に具合が悪くなりました。
どうも強引な空間侵入が為されたみたいです。

といっても、実際に空間に入りかけられたのは一番防御力が弱い私でしょうが。
傾向から言って、富士の件から続く一連の『依頼』に関与していかもしれません。』


鼻水も「水」の一種ではあるが、これで「水関連アピール」だとしたら凄いガチンコだな…。
真名井の件から、見えない各種の依頼が月櫻を始め、狭霧殿や鬱金殿に来るようになってしまった。
その為、この数日は「人質禁止令」や「危害による依頼禁止令」、
どうしても依頼がある時は「~する」などの依頼条約の制定など、各々が色々と手を打っていた。


といっても、一番手段を講じなければならなかったのは月櫻であるが…。



…なにげに語り部って「ぱーてぃー」の中で一番弱いんじゃないか?。
どっかのRPGのストーリーの感じから言うと、「語り部」は良くて「吟遊詩人」悪くて「道化」レベルの感じである。と、最近密かに月櫻は悩んでいた。





『北海道ですか?』
狭霧殿のツイートが帰ってきた。



『…じつは一番最初の仕事の後で、東北と北海道をまとめて「瀬織津姫」にしていいのか、
時々考えていた事はいたのです…』

『どういう事ですか?』

『確かにアイヌ民族など日本民族と相対した民族も居られ、封ぜられた民族として「瀬織津姫」の名を冠するのは一理あると思いました。
しかし…』

『しかし?』

『なんというか、北海道は東北とも違う印象なのです。そして「真名井経路」とも微妙に…。
少し調べて見たいと思いますので、ちょっとお待ちいただけますでしょうか?』

『わかりました。よろしくお願いします』



現在の情報収集にPCは欠かせない存在。
というか、便利な存在である。
目に見えない方々が「これ見ろ」と情報を提供しやすい場でもあるのだ。


案の定、
情報が飛び込んできた。



何度も来ている旅人から「以前の方がきれいだった...」と言われる『神の子池』。
その神の子池はアイヌ語でカムイトー(「神の湖」の意)と呼ばれる摩周湖の地下水が湧きでた池。


自然と「摩周湖」の情報に惹きつけられていく。


◆摩周湖は「閉鎖湖」。
◆山を失う前は「富士山」と同じ成層火山。
◆失われた山の予測されている高さは2000m。


2000m?。富士に行った時の5合目と同じ高さだ。


◆晴れた日の「摩周湖ブルー」

こ、これは…。
摩周湖ブルーの写真を見た瞬間、
月櫻は「あの日に富士でみた空」を思い出した。



色はこれほど鮮やかな蒼ではなかったが、しかし、
雲間に浮かんだ丸い青空の形によく似ていた。



やはりこの一件は「まだ続いている」に違いない。
そう月櫻は確信した。


『では摩周湖を浄化したらいいですか?』
途中経過の報告に対し、狭霧殿から返事が来た。

今回、鬱金殿は別件の仕事で大変忙しい時の体調不良であった。
表裏の流派として鬱金殿を敬愛している狭霧師匠としては、
早く済ませて鬱金殿の負担を減らして差し上げたいと願っていた。


『いえ…、なんかそんな簡単というか短絡的な印象じゃないのです。
何か、もっと深いような…。
ちょっと風呂で「もぐって」来ます』


早く終わらせたいのは月櫻も同じ気持ちだった。
月櫻は「水」の気が非常に強く、水エネルギー派である。
風呂は月櫻にとって、最大限に力を発揮できる場でもあった。
(しかも今は、絶賛ご神気入りの風呂ときているw)




湯に身を浸す。
摩周湖ブルーが浮かぶ。

摩周湖ブルー。
蒼い蒼い水。
石垣の蒼。
富士の空。


皆、つながっていく。


蒼 青 あお 



石垣も疑問に思っていた。
あそこに真名井はない。
石垣も「違う」。
摩周湖も「違う」


ああ、そういえば他のツィートで同時間に天川のレインボーガーネットの話が出ていた。
天川、そう、天川もそういう意味では「違う」場所だ。



「違う」が共通するものがあるはず。
「違い」は何だ?。


深く深く、考えていく。


日本文化は縄文と弥生で大きく変換する。
それは民族の変換でもあった。

天孫・国津神は主に弥生以降の神。
そして『瀬織津姫』は縄文の神の象徴であるように月櫻は感じていた。
それ以前のルートもとに向へと?。



縄文以前から神は居た。
縄文以前から「人」は存在し「文化」もあった。
故に「神」も存在していた。


古代、
古代の流れ、
一連のテーマは「水」ではない。
水を超えた神流?…。


水の流れにかこつけて、
次は古い古い縄文を超えた「神の流れ」自体にしろと?


流れる月櫻の意識にある映像が見えた瞬間、
現実に引き戻されていた。



これが答えか?
これが次行うことなのか?



狭霧殿、
富士の時に「大仕事です」と申し上げましたが、
今訂正します。



次こそが多分、真の大仕事になるでしょう。


貴女は、
受けてくださるでしょうか…。
いや、受けてしまわれるでしょうね…。



私はまた伝えてしまうのでしょうか。
師の存在を危うくする仕事を。


**************

『壮大すぎますよ?それ。ねぇ…』

流石の狭霧殿もスケールの大きさは感じたようだ。

古き時代に人々と生き、すでに名もなく、存在すら忘れられた古き神々(古代神)は
山に野に岩に、水に、時には名を変えて古き神社などに息づいているものもあれば、深く眠るものもいる。
範囲も広大だが、それ以上に彼らは長い長い時間を経て今に至っているのだ。

この考え方でいうと、三次元的には日本全部、時間軸はそれ以上の多層軸となる。
それをどうやって浄化するのか・・・。

『一応、脳裏に浮かんだ方法があるのですが…、お電話してもいいですか』
余りの方法だったので、直接二人で話すことにした。




月櫻の脳裏をかすめた方法、
それは『血(=水)を媒体にすること』であった。


◆血の流れは人類の流れの末であり神々の末。
◆そして血には遺伝子として「記憶」と命の流れ=「道」が入っている。
◆それを利用し、月櫻が持っている多重次元(アッパーグランド・アンダーグランド・中間層)の記憶と、
狭霧殿が持っている多重次元記憶のそれぞれを水路として流す。


もしかしたら、この方法に行き着くために実際の「水」から始まったこの一連の作業があったのかもしれない…。
月櫻は話しながら頭の片隅でそう思った。



月櫻は話を続けた。


「多重世界記憶は二人分あればいいでしょうか…。
狭霧殿に対して表裏を考えると鬱金殿の多重次元記憶の方が私のものより良いのではないかと悩むところですが、
鬱金殿はタダでさえ今大変な所でしょうから、巻き込むのは申し訳ないと思うのです…。」

「それだけ宏大な時空範囲となれば、「光」だけでなく表裏である鬱金殿の「闇」も必要でしょう…。
しかし…」
「しかし?」


「いえ、私が「光流」を遡れば、最終的にどっちも含まれるでしょう」

「まて、ストップ。」思わず、師に対し敬語を忘れた。
それほど先の狭霧殿の言葉の「真意」は重かったのである。


「光と闇は対極ですが、表裏一体の存在です。各々をさらに根源にたどれば文字通り「光も闇も同じ」になる次元になる。貴女はそう仰りたいのですね?。
たしかに理論上といいますか、言葉ではそう言い表せるが、それがどれだけの「高さ」であるか。
貴女はそこまで上がるとおっしゃるのですか??? 」


「月櫻さん」


発せられた狭霧殿の一言に月櫻は思わず言葉を飲み込んだ。
いや、狭霧殿ではない…。
電話の向にはちゃんと「人」が居るに違いない。
しかし、気配は違っていた。


霊視される狭霧殿の姿にはオーラの色が全くなかった。
死期が迫る者もオーラが見えなくなるというが、狭霧殿のそれとはまったく違う意味である。


視覚・聴覚…人の感覚の領域は狭い。
色で認識出来るという事は「可視光線レベル」である。
色々な可視光線の波長が合わさると視覚的に確認出来る「色」は「白」になる。


しかし太陽の光は見えない。
太陽光をプリズムなど「もの」を介して見た時、無色透明な太陽の光は「美しい色」を映し出す。


プリズムを人という器と例え、
透明なオーラを太陽光と例えたとしたら、
その答えは「人という器を介さない存在」である。


月櫻は覚悟を決めた。
そうだ、やると言ったらやる方なのだ…。
それにほら、もう、旅立ち欠けている…。



月櫻の決意を察したのだろう、次の声はいつもの狭霧殿の声であった。
「月櫻さん、で、切らなくていいのでしょうかー」
「は?何を切るんですか?」
月櫻は頚をかしげた。

「血が必要なんでしょう?」
「待って下さい!何処の黒宗教の生贄ですか?。
切る必要なんかありません!。
第一、生きてないと「生きている流れ」じゃないから出た血じゃダメだと思われます!」
「あ、そうですかw」

ぜーはー←。
じゅ、寿命がちぢむ…。

息を整えている間に、
また電話の向の気配が変わってきた。


「月櫻さん…」狭霧殿の声。
「サーチしていただけますか、なにか・・出ていくかんじです・・・」



相変わらず行動が早い。
「沙霧殿、こちらも多重次元記録回路を開けます。「上」でお逢い出来るでしょう」


月櫻は目を閉じた。
自己身体に目を向ける。
狭霧殿が行ったのが「宇宙」「マクロ」と云うなら、
月櫻が行く経路は「身体」「ミクロ」。


ミクロ=マクロ
N◯Kもタイトルで言っているじゃないか「脅威の小宇宙 人体」ってね。


光と闇が表裏一体であるように、
宇宙と身体も表裏一体である。
といっても、月櫻と狭霧殿では臨界点のレベルは桁違いであるが…。



月櫻の体内の血液、
赤血球、
ミトコンドリア、
核、
DNA、


無数の細胞から水のような流動体が流れだす。
それはやがて一つになり、水で作られた巨大な羽のある獣か竜の様な姿に一瞬なり、
そして静岡旅行の際に狭霧殿から賜った「石」の中に大河の様に流れ混んでいった。




月櫻の意識は水の獣=古代神の総合意識体と共に石の中に吸い込まれて行った。


高い俯瞰。
日本全体が見える。


狭霧殿が居られる富士周辺から、大きな目に見えぬ高エネルギーな存在が日本中に広がっていく。
そして、狭霧殿の石を通る事によって次元を引き上げられたのであろう、
集合体もそれと同じようにどんどんと姿を変え、日本中に広がっていった。


集合体が覆っていく場所では、雨降りの映像を逆回ししたような現象が見られていく。

降った雨は山に降り、大地に染み込み、地下水となり、里に出ていく。
その逆なのだ。


大地から、山から、雨が空に向かって上がっていく、
それは上空で1つになり、幾筋もの空に向かう川が出来上がっていく。
そしてその川は空に広がる集合体につながっていくのだ。


日本の山々から登る水により、さらに大きく大きくなった集合体を、
それよりも遥かに大きく、暖かく、広く、厚い存在が包んでいく。


暖かく、
暖かく、
夜の闇の中で、
太陽の光のように無色透明な光が、
山々から吹き出した古代神達の記憶を統合した流動体を優しく包んでいく。


和らぎの闇の中で
光と水が触れ合ったあちこちで、
水は水蒸気に変わっていった。



ふわっと、
溶けるように、
無くなるのではなく、
それは姿を変え、
昇華していく、



そして昇華した水蒸気は、
雨となり、
再び大地に戻っていった。




優しく
しとしとと


再び、大地に戻っていった。






明け方近く、奈良に雨が降った。
静かで誰も気がつかないような優しい雨だったそうだ。
関東でも朝方、雨がふった所が多かったようであった。



つづく>>>


血は水よりも濃い>
1)血のつながった身内は他人よりも、きずなが強く、頼りになる、というたとえ。
2)英語のことわざ、「Blood is thicker than water.」を訳したもの。

ことわざ学習塾より
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Comment

 

余談ですが摩周湖って、霧の摩周湖ともいいますよねー。
日記の最後の方に【霧】が出てきて「お?やっぱり?」と思ってしまいましたw
  • posted by レサト 
  • URL 
  • 2012.10/16 08:28分 
  • [Edit]
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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
本職>某病院異端リハビリスト。
特技>体を含めものの声を聴く
焼き肉や鍋の時に同僚に重宝される特技でもある)。

東洋系治療と自然農法に興味あり。
『美しく生きる』を考えたい人。

ブログの中の私が体験した白日夢の奇譚は、患者様の特定を防ぐために整体師・耳視師という設定の中で「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。
飽くまで本職は病院勤務で整体院は営んでおりません。
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