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Voiceless world ー魂魄白日夢奇譚ー

Voiceless world of the voice to you 声無きものの聲をあなたに。      人の不思議(魄)と白日夢の如き奇譚(魂)の物語

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枕の下を水のながるる~京都九重(ここのえ)奇譚-神世水奇譚外伝5

宴会もお開きに近づく頃・・・
「実はホテル決まった時に検索したら、お風呂、幽霊が出るってて有名なホテルだったのよね」
「あ、私もそれみたわ」
という話が参加された方々から出た。


「ホテル名入れただけで、大浴槽のおばけの事出てくるよ」
「すみません・・・申し訳ないです」


参加された皆様に申し訳ないと思いつつ、
先程出会った大浴場の大きな影も、そして次々と沸き立つ影達も・・・
実は月櫻は悪いものには感じていなかった。


あの大きな影が沸き立つ瞬間に、腕を引いてもらって立ち止まったが、そのまま進んでガチで顔を突き合わせたとしても何か「話せば分かるんじゃないかな」と感じていた。
そして話をして・・・いずれにせよ、狭霧殿にお願いしてあの大浄化を行ってもらっただろう・・・

何故かそういう感じがした。


しかし・・・
「あそこだけは、御免こうむりたいのが正直な所なんだよなぁ・・・」


宴の後片付けをした後、「すみません、昨日ほとんど寝てないので今日はお先に失礼します」と
まだ残って話をしている方々も多い中、早々に失礼した月櫻であったが、気になるのは本日のお布団の位置であった。


それぞれの部屋で自分たちで布団を敷いての雑魚寝であるが、
どうしても場所がなく一箇所だけ月櫻曰く「寝たくないなぁ・・・」という所に布団が敷かれているのだ。


寝て寝れない事はないのだが、
布団の下が霊道というのはやはり好ましくないものである


自分が嫌な場所を人に寝させる訳にはいかない訳で・・・・。
意を決して、他の方が寝てしまう前にその布団で寝てしまおう、そう思って行ってみれば



・・・

・・・

・・・


いつの間にか鬱金殿が健やかに寝ておられた



あーーーーーーーーーーーーーー
確かに、あの場所に寝て大丈夫そうなのは狭霧殿と鬱金殿くらいかなと思ったが、
よもや、先に寝て下さっているとは・・・



月櫻は鬱金殿の寝姿に合掌し、
では順番に寝ようかと一番奥の布団に潜り込んだのであった。


***

暑い・・・

あつ・・・・

暑い・・・・


暑くて目が覚めた


ふと気がつくと、周囲は明かりも消え、それぞれ床についたようであった。
隣が誰だかも分からないが、鬱金殿の布団の方からは寝息が聞こえて来ており、つつがなくお休みされている事に安堵した。





暑い


折しも10月
けして暑い時期ではなかった何故か汗ばむ様な暑さに、布団から手足を出すと冷やりとした空気にふれホッとする。


中々寝付けない。


月櫻の場合、こういう時は「寝てはいけない」時であった。
寝てしまうと一番体が無防備になる為、呪詛であったり、霊的な存在などが訪れていると、無意識的な防御反応で起きてしまうのだ。


下か・・・


いや、上もかな・・・


下は何か大きな流れが
それとは別に上にどんどん上昇するような・・・
とにかく、月櫻自身が何か浄化しないと行けないという感じでは無かった。

そのくせ、気配が強く寝れない。


・・・損な体質だなぁ

月櫻はプロテクションというものが苦手だ。
苦手というか、勝手に自己解除してしまう。


あの狭霧殿にかけてもらっても、一部分解してしまう
「REFで満たされれば張れる」と思うのだが、何処かから漏れて出ている感じもする。

それはきっと、無意識の自分がそれを希望しているからであろう。
「何のために、それを希望しているのか」
その無意識的な願望を解除しない限り、この流れは止まることはない。


それを探らないと行けないんだよな・・・


そう思いながら・・・・


・・・

・・・


あっっつぅぅいいいいいいいいいいいいい!!!!


・・・


・・・

朝が来た


「・・・寝れなかった・・・・」
おめでとう、ほぼ貫徹2日目である


*******

まだ布団に残っている方々も居たが、宿泊した時は朝風呂を嗜むのが大好きな月櫻は大浴場に向かう。

「あ、月櫻さん、おはようございます♪」
途中で狭霧殿達とご一緒になる

「寝られました?私、横になったら浄化案件が山のように来て、ずっと浄化してましたの♪」


は?


「何か1200年分っておっしゃってましたですね・・・。あ、タダでは致しませんでしたですよ?
今回の参加者が全員で10人なので一人120年分の徳を分配して頂く事に(にっこり」


1200年分の浄化の対価を分割120年分!?


「夜すっごく暑かったですわ、さ、お風呂入りましょうw」
そう言って微笑むと、狭霧殿は女湯の暖簾をくぐって行かれた

・・・

・・・

暑かったのは狭霧殿の浄化パワーのせいですよっっ!?
そして、私もすっごく暑かったです!!!!




「私は涼しかったがな」


唖然として立って居た月櫻の後ろから突然声がした


「鬱金殿・・・寝て居られた場所、あそこ霊道でしたが大丈夫でしたか?」
心配しながら月櫻が尋ねた


「いや、霊道寝はヒンヤリしてて気持ちよかったよ」


飄々と答え、風呂に向かう鬱金殿の後ろ姿を見、
上には上が居るんだよなぁ・・・と思う月櫻であった


「ああ、そう言えば・・・
ホテルの下の方、水流に水草の様なものが一面ユラユラと揺れているのが見えていたよ・・・
良し悪しの判断はつかなかったけどね」


ふと思いついた様に振り返って鬱金殿はそう言った。


「昨夜の狭霧さんの件だけど、横断する地下鉄で水脈が切られたのも関係するかもな」


・・・かにかくに・・・

鬱金殿の言葉でふと、1つの歌を思い出した


かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる


鬱金殿の枕の下の霊道のその下には、水脈があったのだろうか。
人の都合や思惑で寸断されてしまったその水脈は、かつてはその流れによって、汚れを清めていたのであろう。


「・・・自然の大きな流れを利用した京都の浄化システムの1つだったのか・・・」


寸断された流れはそれ自身も淀んでしまう。
また、出口なく積まれていく汚れはいつか大きな淀みになって行っただろう。


いや、もうなっていたのかもしれない。
しかもその流れは二条城からだ

「1200年か・・・よくぞ保ったものだ・・・」


今回の件で浄化されたことに心から安堵する月櫻であった。


ちなみに、その朝の風呂の湯の清々しさは別筆に記したくなるほどの変わりようであった。


続く

*******

~かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる~吉井勇

吉井 勇(よしい いさむ、1886年(明治19年)10月8日 - 1960年(昭和35年)11月19日)は、大正期・昭和期の歌人、脚本家である。華族(伯爵)でもあった。 wikiより
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【受付完了致しました】イベント予約受け付け

******

全枠ご予約頂きました。
有難うございます!!

追伸:頂きましたメールには全てお返事をさせて頂きました。
まだメールが届かないという方は申し訳ございませんが今一度、ご連絡頂ますようお願い致します。


******

🌈 ヒーリングイベント  にじのあそびばリチェルカーレ🌈
大変出遅れましたが、イベント系はお初になるので、
月櫻さん整体は時間と内容、対価等々で悩んでおりましたが、京都旅行の際に受けて頂いた方々のご意見を参考にして決定させて頂きました。

【内容Ⅰ】
①足指から左右体幹のエネルギーのつまりの解除(交感神経・副交感神経の調整、歪みの調整)
⇒特定の足指からその人に合ったねじれ解消の調整を入れてREFドッカンと参ります。
 例:REFを流すと詰まりのない所は一直線に流れて行きますが、つまりの有る所は糸が絡まったような、あるいは絡まりが強く黒い塊の様にみえます。それを解き、歪みを調整していきます。効きの良い方でしたら、これだけでも左右の体のねじれが改善します)

②①に加え、手と肩の骨からエネルギー調整を行い、四肢の歪みの調整を行います。
⇒①が直線の流れに対して、こちらは螺旋状にREFが流れて行きます。
 感覚の鋭い方でしたら、腕を触っているのに股関節や体の何処かが動いていく感じが分かります。
 京都で受けて頂いた方の中には腕が独りでに回転していって驚いてくれてました。腕お疲れ様だったんですねー

③必要に応じて、内蔵下垂の修正・経絡の調整を行います。
⇒①で体の中のエネルギーの停滞があった所は内臓や経絡的にも負荷が掛かっている場合がありますので、体が元気になっていく方向で後押しをさせて頂きます。


【内容Ⅱ】
頭ぶつけた~が気になる方向け
*机の角で頭ぶつけた、壁に頭ぶつけた・・・そんな衝撃が頭蓋骨の反対側まで届いており、腰痛や四肢や行動等々に影響を与えているときがあります。内容Ⅱは頭ぶつけたけど、昔階段から落ちたけど、等々、頭が気になる方向けです。

打った所と、飛び出た所の2点を触るだけで修正が可能ですが、多量のREFが必要になりますので
頭部修正のみになる場合もあります(余剰があれば内容Ⅰの①②も実施可能です)

内容ⅠかⅡの選択はその場でのご相談でも可能ですが予約時に「悩んでます」旨を書いて頂けますと助かります。


*当日は①は簡易ベッドに横になって頂きます。足の指を触りますので5本指の靴下か、足の指を出せる状態でお願い致します。②、③は椅子に座って頂く場合があります。

*ヒーリングワークです(医療行為ではありませんのでご了承下さい)

【実施時間・価格】
お一人 15分程 9000円

*イベント開催なので、全般的に体を整える内容にしております。
その代わり、ヒーラークオリティでがっつりと流させて頂きます。
(いつもは保険診療内で実施しているのですが、ヒーラークオリティだと全然違うのです・・・)

*なお、ご予約頂きましたら、
「せっかくの施術がより効果的に受けられるように」、ご予約頂いたメールアドレスに事前にごくごく簡単な「養生」をお伝えさせて頂きます

【予約方法】
*お名前(ハンドルネームでも可能)
*メールアドレス
*下記予約時間枠からご希望の枠(A~E)
*体に対して思うことを一言
(*もし既往歴がありましたらお書き下さい)
(内容ⅠかⅡ、もしくは相談希望も書いて頂けましたらありがたいです)


【予約枠】

お陰様で全枠ご予約頂きました。
本当に有難うございます。



午前中
A)11時台 2枠

午後
B)13時台 2枠
C)14時台 2枠        
D)15時台 2枠
E)16時台 2枠



****

ヒーリングイベント リチェルカーレ
★日時・2019年1月12日(土)
★開催時間・11時 〜 17時
★場所・ICA SPACE 東京都中央区東日本橋3-4-6 ICA3ビルE 2階
★なんと嬉しい入場無料
お江戸だ2
参加者>
■出展者: (五十音順、敬称略:名前をクリックして頂くと、その方のフォームに飛びます)
        
       katze
       銀河
       クルミブログはこちら
       月櫻(受付:瑚月)
       ぬー
       yama
       ゆの
       竜燈琴・粦
       りゅーら
       さつきのひかり


余談>
15分6000円か9000円で、のたうち回りました。
実質1~3の内容で6000円でも「妥当」なのですが、
9000円だと効果2倍(当者比)なのです。
15分6000円×2=30分掛かる内容が
15分9000円・・・・・・・・・


12000円分が9000円と考えると「お得やんかっっっ」(あえて関西弁)


後は、京都の際に施術させて頂いた皆様にご相談した際に20分なら12000円で!とご助言頂いたのですが、自分でリーディングしても時間換算すると同じ対価価格となってました・・・_(┐「ε:)_。


って、ヒーラークオリティでがっつり月櫻さんが思う存分やって見たかった…というのが・・・
はい「本音」です。


ちなみに収益は寄付させて頂く予定にしております。
ご縁がございましたら、お会い致しましょう

祇園(ぎおん)はこひし寝るときも~京都九重(ここのえ)奇譚-神世水奇譚外伝4

【祇園】
京都市東山区内の地名
いわゆる御霊(ごりよう)信仰の鎮守であった祇園社(八坂神社の旧称)の発展に応じて,平安時代の半ばころから用いられるようになり,人々に近しくなった。このあたりの地は祇園社領として,平安時代末期より門前町化の萌芽を示していた

*****

話はいっとき、京旅行よりはるか昔に戻る
これは、魑魅魍魎が練り歩き、人の世と妖の世がもっと交わっていた、そんな昔むかしの物語

*****

「早く帰らないと・・・」
女は小さな壺を胸に抱きしめ、夜道を急ぐ。


遠くで雷鳴が聞こえる。
夕暮れ時は逢魔が時。
最近、羅生門でも鬼が出るともっぱらの噂である。


貴重な飴は薬としても珍重されている。
もっと早く帰るつもりだったのに、出掛けに呼び止められて時間を食ってしまった。
呼び止めた女はいつも、自分と女を比べて文句を言ってくる厄介な女性だった。


そう、もっと早く出たら良かったのだ。
まさか、数人の男に取り囲まれ、いきなり殴られ、古寺に連れ込まれるとは誰が想像しただろう?


しっかりと抱きしめていた壺が奪われる

「ほー、飴じゃねぇか」
「まって!それ返して!!!!」
「暴れないように2~3発殴っちまえ」

張り飛ばされ、地面に投げ出される
下卑た男の手が娘の口を塞ぎ、手足を掴む。

なんでこうなったのだろうか?
何がなんだか分からない
恐怖で固まる女の耳にこんな言葉が飛び込んできた。

「とにかく、帰ってこれねぇ位辱めろってさ」
「おおー怖い怖い。女の嫉妬ってやつか?」


脳裏にあの女性が浮かんだ。
嫉妬?私に嫉妬して?それでこんな酷いことを頼んだの?


「逃げねぇ様に持ってろよ」
衣が引き裂かれる
「!!!!」


手が、足が、体が、
恐怖と痛みで動かない

・・・・
・・・・

「おい、次は俺だ!」

・・・・
・・・・

ああ、私にもっと手があれば、こいつらを引き剥がせるのに

・・・・
・・・・


ああ、私にもっと足があれば、この場から逃げれるのに

・・・・
・・・・
・・・・

陵辱の時間は耐えられないほど長く、
女の心をズタズタに引き裂いた

「おい、オレ最後まで待ったんだからさ、殺っていいか?」
「おいおい、またかよ」
「良いけどよ、気味わるくねぇのかよ」
「何とでも言え、この死にかけた時の締まり具合がたまんねぇんだよっっ!」
男の手が首に掛かる


ああ!!!、私にもっと手があれば こいつらを絞め殺してやるのに


ああ、憎らしい
憎らしい

ああ、私に・・・・・・・


牙があればこいつらを食い殺してやるのに!!!




-朕は、なれを救えねど、望みしものなら与えられよう、なれ、望むかー


朦朧とする意識の中、男たちの声も自分の苦しみも・・・波が引くように世界に静寂が訪れ、
そこには朧に光りを放つ、身分の高そうな男性が居た


の ぞ む 

の ぞ む

のぞむ!!!!!



「がっっっっっっ」
女の首に手をかけていた男の胸から血が吹き出した


「な、なんだ・・・」
「う、うわぁ!!!化物だっっっっ!!!!!」
「くっっ蜘蛛だ!!!ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」


女の手足は蜘蛛の手足に変わっていた
女の口には牙が生えていた


女は


絡新婦(じょろうぐも)になっていた

***

血みどろになって横たわる男達

-すまぬー
と、その御方は言った。


この近くを伴の者たちと通りかかった時に私の心の叫びが聞こえたという。
自分は穢れている故、こういう手助けしか出来なかったと、悲しげにその御方は言った。


いいえ、私が望んだのでございます


苦悩と優しさと憂いの籠もった目と奥深くに感じる気高さに、自分がこれからお使えするのはかの御方だと思った。
不思議と今までの自分が何者だったのか、何処に行こうとしていたのか、朧に霞んでいく。
ただ私の目は泣きはらしたままの赤い目になっていた。


ああ、私がついていくのはこの御方だ。
そして、私はその御方に付き従う列の末席に加わった。


新たな仲間の参列を祝うかの様に、雷鳴が轟いた。


京の夜を練り歩く、異形のものが集う百鬼夜行。
それは烏合の衆ではなく、主を慕い集まったモノたち
同じ様に主に救われ異形の列に加わったモノ。




魑魅魍魎が練り歩き、人の世と妖の世がもっと交わっていた、そんな昔むかしの物語。



あれから数百年が経っていた。


******

宴会もお開きに近づく頃・・・

「実はホテル決まった時に検索したら、お風呂、幽霊が出るってて有名なホテルだったのよね」
「あ、私もそれみたわ」
という話が参加された方々から出た。


「え、本当ですか・・・申し訳ない・・・。
今回も皆さんにおすすめする前に、自分で検索したんですが引っ掛からなかったんです」

このホテルは、月櫻が見つけて来たホテルであった。
(検索したらお手軽価格で上がってきたのだ)

ただ、月櫻自身、そういう系統には敏感な方である。
常々、ホテルの写真を見て「あ、これヤバイ」と思ったら絶対に宿泊はしない。
浄化すれば良いといえばよいのだが、写真で分かるレベルは結構根が深い場合や地域に渡る時もあり、
そういう所に体力や気力を払うなら、本来使うべき所に使いたいのだ。

『君子危うきに近寄らず』
これ、座右の銘

故に、このホテルの大浴場の写真も、皆様に提案する前にチェックした。
正直いえば、ほんの少しだけ何か居る?という感じがあった事はあったが、悪いものや危険が有るものではなく、経年劣化の淀みというか移動性のものに見えた。

あと、申し訳ないがこのメンバーなら問題ないレベルと軽視していたのだ。

・・・・それが、申し訳なかった・・・・orz

「ホテル名入れただけで、大浴槽のおばけの事出てくるよ」
「すみません、申し訳ないです」
「月櫻さんが悪いんじゃないよ」



・・・

・・・

・・・


人間共の声がする

・・・


・・・・


地の奥底
水面の藻がゆらりと動いた



続く
*CommentList

かにかくに~京都九重(ここのえ)奇譚-神世水奇譚外伝3

風呂から上がった狭霧殿だが、「膨大な仕事量」による疲弊もさることながら、「長湯」で顔色が変わるという事態が起きたのだから、どれだけ長時間頑張られたのであろう。

フリールームに集まって狭霧殿の背中を先頭にREFの縦列流しを行った後、顔色が戻った狭霧殿に一同がホッとした辺りで、入れ替わるように大浴場に行った鬱金殿が帰ってきた。


さぁ持ち寄り宴会の始まりだ


宴会の合間を縫い…月櫻は鬱金殿に話しかけた
「鬱金殿・・・ありがとうございました」
「ん?私は何もしていないよ?」
デパ地下で購入した小分けの「切れているお漬物」をポリポリと摘みながら飄々と答える鬱金殿


「実は以前、勧めてくださった楊枝が凄く役に立ってくれてました」
「ああ。ふふ、それなら良かった」
「楊枝ってなんですか?」鬱金殿の横に居られた狭霧殿が声をかける


「三十三間堂の三角楊枝の事です」
月櫻は笑いながら答えた。

****

三十三間堂には珍しいお守りがいくつもあるが、その中に三十三間堂「特製楊子」の三角ようじというものがある。
お土産コーナーの端に何気に置いてあるこの楊枝が「身代わり・厄除け」として非常に効果が高いと教えてくれたのが鬱金殿であった。

たかが楊枝(ようじ)と思うなかれ、
千手観音もその手に楊枝(柳の枝)持たれているのだ。


お釈迦様も「禍の門」とも言われる口中の毒気を除くことにより、心の中まで清浄になるのだと弟子に教え、楊子を勧めたいう。
また、「楊枝のお加持」は三十三間堂の最も重要な行事とされている。


*****

月櫻は昨年、友人たちと二条城に行った際に、これを思い出して先に購入しておいた三角楊枝を使用したのであった。


大きな大きなエネルギーが出口を求め、浄化を求め、人柱・・・いや巫を要求しているような…
そんな強いエネルギーが二条城にはあった。


ちなみに鬱金殿が月櫻に教えてくれた方法をここに書くと・・・


「危ない場所」に入る場合や、そういう可能性がある仕事をする際)の身代わりや厄払いに使用したり、変なものがついてきたと感じた時(特に頭痛)の厄払い際に使用する。


連なっている三角楊枝を一本とる。
身代わりになってもらう様に祈る。または身代わりとして楊枝に「移す」様に祈る

気持ちとしては自分の気を少しそこに通す感覚だ。

そして用事が終わった時や邪気を移した後に、「折って」破棄する

折る事で、取り込んだ邪気が出ていかない様にという意味もあるし、
身代わりをそこで終結する(縁を切る)という意味合いもあるようだ。


月櫻は二条城を隅から隅まで回った後、
二条城から出てから楊枝を折り、更に浄化を促す為に有る場所に埋めたのである



その楊枝に、先程の瞑想の時に再会したのだ。
再会という言い方はおかしいかもしれないが・・・


大浴場で狭霧殿が時間をかけて浄化してくださって居る時。
狭霧殿の浄化にスムーズに乗れるように交通整理えおしていた月櫻の目の前に現れたのであった。

二条城から長蛇の妄執や淀みを、今まで見守っていように輝く楊枝。
密かに月櫻は目を見張った
ああ、あれはあの時埋めた楊枝だ。



そして・・・まるで合図のように、その楊枝が砕けと同時に狭霧殿「浄化が終わった」のだ


・・・こんなに多くの淀みを止めてくれていたのか。

楊枝が砕けたおり・・・ちらりと千手観音が見えた。
成る程、楊枝の中の観音が身代わりとなってくださっていたのか。
三十三間堂の加持、有り難し・・・・・


***


「そういう訳で、教えて頂けたおかげで助かりました」
「なるほど。役に立ててよかった」

話を聞き、知って居たら買ったのに、とか
気が付かなかったという声が上がる

ちなみに、こんな素敵な謹製三角楊枝ですが

100円で手に入ります

もしご縁と興味がありましたらどうぞ


それからも宴会と・・・かくし芸ならぬ各々の技の披露と楽しい話に花開いた。


胡桃殿のセボネスゴイゾー
医者の不養生、紺屋の白袴というが、思いながらも中々自分のことは蔑ろになりがちになる月櫻。
以前から脊柱の硬さは気になっていたが、今回がっつりやって頂きスゴイゾーだった。
その後で月櫻が胡桃殿の施術をした。

鬱金殿は狭霧殿の「背骨すっきり、エネルギーみっちみち」を受けられていた。

エネルギーヒーリング
モノツクリー
オサケツヨイゾー
コガオニナルゾー
ゴハンウマウマダゾー
エトセトラー


それぞれが、それぞれに個性的な人達の集まり。
互いにし合う事で得るもの者もあれば、楽しい団らんに和む者も居る
今回の京都旅行の参加者のうち6名が来年1月のリチェルカーレに参加するので、楽しみにしていて欲しい





*CommentList

水中より一尾の魚跳ねいでて~京都九重(ここのえ)奇譚-神世水奇譚外伝2

遅いアフタヌーンティーを楽しんだ為、夕食は河原町のデパ地下でそれぞれが思うものを購入し宿に向かう事となった。
ちなみに、このデパ地下でも、狭霧殿は歪みの修繕をされていたようだ。


早々二仕事キテルヤナイデスカ


先程の狭霧殿がされた四条の十字路での上仕事が目に浮かんだのはここだけの話


****

「ここですか」
元離宮二条城が徒歩範囲内の立地
古い宿とは聞いており、年代に見合った「重さ」はフロントでも感じたが、
予約していた3部屋はそれなりに感じた。
正直、多少の云々はあるが、なにせ狭霧殿を筆頭としてパワフルな御仁ばかりなのでまぁ吹き飛ぶだろう。


早々に布団を敷き合い、風呂に向かう事とする


所要で後で入るという鬱金殿をおいて大浴場に向かう
エレベーターを降りて地下の大浴場の暖簾を潜る際に、先に出てきた人を避けた。



「あ・・・・・・」

一歩踏み入れたその場所。
なんの変哲もないただの床だったが、そこには強烈な時空の歪みが生じていた。


世の中がグラと廻る様な、エレベーターやジェットコースターで急に下に降りた時のような…
・・・なんて凄い歪みだ・・・
これほどの歪みはめったに無い


「どうしたんですか?」
「あ、狭霧殿、良い所に」
「はい?」
「ここ、ここに立ってみてください」


知らずにニコニコとしながら月櫻と場所を変わった狭霧殿


「・・・・うっっわぁぁぁー、何ですかこれ」
「凄い歪んでますでしょ?」
「凄いですよ、これ?うわぁぁぁぁ・・・」


狭霧殿をして「うわぁ」と言わせる歪みである
これは相当なものだ。


「おまかせ致します。どうか御随意に宝刀をお使いください」
「月櫻さん、丸投げですか?」
「はい」
言いましたよね、~私は今回傍観者ですよって←

と言うか、どう頑張っても月櫻では無傷での処理は無理な案件であるのが見て取れたのだ。


「うーん、ちょっと時間掛かるけど・・・・・・・・・・・・」

・・・・1分

・・・・2分

・・・・3分

・・・・4分

・・・・

「えいっっっ!」

・・・・・

「・・・凄い歪みでしたね」

いつもの狭霧殿のしごとの速さと比べると確かに時間がかかっているので、それだけでも歪みの強さが分かる・・・って、
いやいやいやいや、それでも5分やそこらで修正出来る歪みじゃないでしょう・・・・

実際は、丸投げと狭霧殿に声をかけたものの、大丈夫なのかと密かに心配してた月櫻
「ありがとうございます」と言った言葉の中にはほっとした思いが込められていた。

お礼を言いそのまま、なにげに先に進もとした時、ぐいっと腕をひかれた。


「?」
月櫻の手を引いたのは胡桃殿だった。
振り返ると、鬱金殿と早霧殿以外の全員がその場に居られ、無言で月櫻が行こうとした方の指さした。


「ん・・・」
壁には小さな染み


いや、染みは目立つが問題ではなく・・・
成る程、言われればそこには何かが居た。


そう、例えるなら・・・・あれは
「・・・・真っ黒いモリゾー・・・・」
ぼつっっっとつぶやいた月櫻に胡桃殿や御一同が吹き出した。


(注:モリゾーは愛知万博のマスコット⇒愛・地球博


「何が居るんですか?」
仕事を終えた狭霧殿が声を掛けてきた。


「あそこに、真っ黒いモリゾーの様なのが居るんですよね・・・」
「へ?」
「あ、モリゾーが増えていく・・・」

言葉なきもの、世に存在せぬとされるものを “耳で視、目で聴くのが耳視師”

そんな月櫻に見えている、例えるなら「モリゾー」の様なその大きな黒い影には見開かれた目が1つだけあった。
その影が従えるかのように・・・、いや、その影を慕うかのように水面からゆらゆらと湧き出すいくつもの影

どんどんどんどん増えていくソレ
溢れ出る量の多さに危機感は感じたが、月櫻は「大きな影」には不思議と恐怖が沸かなかった。
ゆらゆらとした影が次々と湧き出してくる


「水源から湧いてきているようですね・・・。かなりの量だと思います」
「・・・月櫻さん、ここに居てもらっていいですか?」
「どうされるんですか?」
「水なら水でしょうw」


そう言って狭霧殿は大浴場の方に入っていった。
ああ、そうか、湧き出ている湯泉を通じてアクセスするのか

ならば・・・と、櫻は大きく息を整え目を閉じた。


無数の、無数の影が見える
膨大な量だ


混乱しないように、月櫻は意識を飛ばし、それらの霊体の交通整理を始めた。
大勢の人波を数列に分ける。長蛇の列が幾筋も並ぶ。
それを淡々と誘導していく。


霊体でその時空を見渡すと元離宮二条城が見えた


*せき止められた流れ
*浄化システムの停滞

そういう言葉が浮かぶ
本来流れていたはずの浄化システムのルートが寸断された為の停滞
溜まりに溜まってしまったものが今、出口を求めている
成る程、先程狭霧殿が修正されたことにより、時空の歪が解消され、停滞していた邪気や諸々が動ける状態になったのか・・・


そういえば、以前、鬱金殿が京都も地下鉄で水脈が寸断されているのではないかということを言って居られたが、まさにこれがそうか・・・・


しかも源は元離宮二条城だ。


月櫻は昔から二条城やその周囲が苦手であった。
何となく空気の重さを感じていた。



二条城からのルートを、狭霧殿が開く浄化ゲートに引き寄せる
よし、つながった

同時に何処からか歌声が聞こえて来た。


きっと浄化を推し進めてくれるだろう・・・
後は狭霧殿のお役目だ・・・。
大きく息を吐きながら月櫻は目を開けた。

・・・・

・・・・

しかし・・・・あの量は凄いぞ・・・いくら狭霧殿でも大丈夫か・・・???


****

「お、終わりましたー。凄い量だった・・・」

聞いた所によると、狭霧殿は腰湯状態で浄化をし続けて居られたようだ。
さらに、一緒だった銀河殿も歌って応援されていたそうだ。


あの時聞こえた歌声は銀河殿だったのだな
音楽と水の性質はとても似ていると月櫻は思っているが、水底から天に向かう音の道はきっと彼らの道行きを軽くしたのではないかと思ったのであった。

****

~水中より一尾の魚跳ねいでて たちまち水のおもて合わさりき~ 葛原妙子

葛原妙子

1907年(明治40年)2月5日 - 1985年(昭和60年)9月2日)は、歌人、潮音社友、日本歌人クラブ会員、女人短歌会会員。現代歌人協会発起人。南日本新聞歌壇選者。現代短歌女流賞選考委員。

戦後の歌壇に大きな影響を与えた代表的歌人の一人である。
日常のうちに「見てはならぬものを視、聞いてはならぬものを聴きだし」(菱川善夫)、その景色を自ら「表現の我儘についてゆるし得る限界」とする破調の歌に詠むその歌風から、「現代の魔女」「球体の幻視者」(中井英夫)、「幻視の女王」(塚本邦雄)と称される。 ~Wikipediaより抜粋


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瑚月 kogetu

Author:瑚月 kogetu
<西洋医学~東洋医学に首を突っ込む変わりものリハビリ療法士>  
6月に職場変えて心機一転。
リハビリ技術の他はREF。

私が体験した白日夢の奇譚は、整体師・耳視師「月櫻(つきお)」さんに小説:白日夢奇譚という形で語って頂いております。

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